2023年度上期の取組実績
1.安全最優先の理念の浸透および定着
美浜3号機事故の反省と教訓を心にきざむ
- 美浜3号機事故が発生した8月9日を「安全の誓い」の日と定め、すべての事業活動を安全最優先で進めることをあらためて誓うこととしています。
- 「安全の誓い」の日に、社長が美浜発電所を訪れ、石碑前での黙祷を行うと共に、全従業員に向けて、安全最優先の徹底の要請等についてメッセージを発信しました。
- 全従業員も各職場で黙祷を実施するとともに、安全文化を高めるために自身が実践すべき項目の確認を行いました。
2.安全性向上に関する基盤整備
高浜1・2号機再稼動へ 総力挙げ現場点検
- 東日本大震災以降停止していた高浜1・2号機について、新たな規制基準に適合するための安全性向上対策や、自主的な安全性向上対策を行い、約12年ぶりの再稼動に臨みました。
- 再稼動にあたり、トラブルの未然防止を目的とし、再稼動経験のある社員・OB、協力会社、メーカ等が協力して、徹底した現場点検を実施しました。
- 今回は、上記に加え、原子力分野以外の技術者の視点・知見の活用を目的として、火力分野等5分野※の技術者も参加しました(上記とあわせ、延べ約1,680名)。
※火力関係、水力関係、石油化学関係、鉄鋼関係、送配電関係
3.安全性向上に関する活動の実施
美浜防災訓練で、事業者評価を受け入れ
- 9月22日、美浜発電所で、約300名が参加し、原子力防災訓練を実施しました。
- 運転中に原子炉の冷却機能の一部が喪失するという過酷な条件下における、事故収束戦略の決定等の対策本部の運営、送水車を用いた事故収束活動等について検証しました。
- 他事業者※から評価者を受け入れ、第三者の視点で訓練の設計や統制を含めた、包括的な評価を受けました。
※日本原子力発電株式会社、四国電力株式会社、中国電力株式会社
4.リスクマネジメントをはじめとするマネジメントシステムの確立・改善
WANO等※1による発電所の継続的なモニタリングを導入
- 原子力発電所の安全性を、WANO等が継続的にモニタリングするしくみ※2を、2022年度下期、国内で初めて美浜発電所で導入しました。
- 発電所の安全性を示す指標や改善活動の進捗状況等を、定期的にWANOおよびJANSIに報告しました。
- 運転、保修、エンジニアリング等の分野毎の専門家とのコミュニケーションでは、現場観察や文書・記録類の確認、インタビュー等が行われました。
- これらのモニタリングを踏まえた発電所の安全性について、2023年4月、WANO・JANSI代表と発電所幹部が対話を実施しました。
※1 世界原子力発電事業者協会(WANO)と原子力安全推進協会(JANSI)
※2 「enhanced Performance Monitoring(e-PM)」と呼ばれるしくみ
5.コミュニケーションの充実など
原子力発電所で公募見学会を開催
- 福井県内にお住まいの方を対象とした公募見学会について、2023年度上期は27回実施し、506名の方にご見学いただきました。
- PR施設にて、原子力発電の仕組みや安全性向上対策、40年以降運転のための維持管理の取組み等についてご説明しました。
- バスで発電所構内をめぐり、実際の設備をご覧いただくとともに、VRゴーグルで立ち入りが難しい格納容器内の様子などをご見学いただきました。
- 見学後は参加者の疑問や不安のお声に丁寧にお答えしました。