長野県木曽郡大桑村にある読書(よみかき)ダムでは、ダム下流の景観の保全など、河川環境の維持のために必要な流量を放流しており、それを「河川維持流量」と呼んでいます。さらに、今まで発電に利用されていなかったその河川維持流量と落差を有効利用して、2011年6月から大桑野尻発電所の運転を開始しております。
水力発電に適した黒部川。関西電力は、ここに4つのダムと11箇所の発電所を設けています。全国有数の急流河川である黒部川は、特に周辺の山地の浸食作用が著しく、大量の土砂が河川に流れ込むため、短期間でダムに土砂が貯まり、貯水や発電といったダム本来の機能が維持できなくなるだけでなく、下流河川の浸食や海岸侵食など、いろいろな問題が発生します。これを解決するための技術が「排砂」であり、当社の「出し平ダム」は、排砂技術を備えたダムになります。
河川にあるいくつかのダムには魚の遡上を妨げないように「魚道」が造られています。魚道にはいろいろな方式がありますが、魚だけでなくカニ類やウナギ等も遡上できるよう、隔壁の下部に穴をあけたり魚道全区間に麻ロープを設置している魚道もあります。
魚道を設置するスペースが十分あるところには、越流部が傾斜した隔壁を狭い間隔で設置した階段式魚道を使用しています。
採用しているダム:各所のダム
貯水池(ダム)の水位変動が大きな場所には、一定の流量を保つためシャッターゲートを用いた潜孔式魚道を使用しています。
採用しているダム:今渡ダム
魚道を設置するスペースが狭く、ダム上下流の水位差が大きなところには、急勾配でも低流速部を確保できるデニール式魚道を使用しています。
採用しているダム:今渡ダム