余話一話
2023.8.31
非常食はとても進化している。「おいしい」ことは当たり前で、25年間保存できるフリーズドライの雑炊・シチューや、火も電気も使わず温かい食事がとれる発熱剤付きセットなど、プラスαの特徴のあるものが増えている。和食、洋食、アレルギー対応商品などさまざまな種類があり、一度食べてみて気に入ったものを常備するのがいいだろう。
選ぶポイントは、「目的に合わせた内容と量を選択する」こと。まずは、1日分・3日分・7日分の3パターンでイメージしてほしい。1日分の「行動食」は、通勤・通学カバンに入れておき、非常時に効率的にエネルギーを補給するもので、おすすめは羊羹。3日分の「避難食」は、インフラが止まっても調理せず食べられるものを準備する。大規模災害時は、なかなか支援が行き渡らない恐れがあり、それに備えるのが7日分の「短期備蓄」。乾麺やレトルト食品などを多めに買っておき、食べながら入れ替えるとよい。
食の備えに加え、日頃から非常時を想定しておくことも大切。スマホが普及し、災害情報に誰でもアクセスできるようになった今、旅行や出張先でもハザードマップを確認する習慣をつけてほしい。国土交通省の「重ねるハザードマップ」を見れば、今いる場所の災害リスクがわかり、いざという時、どこに逃げるべきか判断材料になる。
そして、非常時に大切なのは率先して逃げること。逃げる姿を見て、他の人も避難するようになり結果的に多くの人を救うことにも繋がる。訓練方法としておすすめなのが「ファースト拍手」だ。会議やイベントなどで「拍手した方がいいかな?」と迷うとき、真っ先に拍手する。何かを察知した時に即反応する能力を養い、率先避難者になってほしい。