分散型リソースを束ね、安定供給へ貢献するVPP事業――E-Flow
かんでん Update
2023.8.15

分散型リソースを束ね、安定供給へ貢献するVPP事業――E-Flow

2011年の東日本大震災以降、エネルギーを取り巻く環境は大きく変化。大規模電源で発電し電気を届ける一方向から、お客さまが持つ設備など分散する多様なエネルギーリソースを活用し電力需給を安定させる方向に進んでおり、VPPへの注目が高まっている。E-FlowのVPP事業について山下裕也に聞いた。

VPP事業とは?

VPP(Virtual Power Plant)とは、お客さまの保有する生産設備や太陽光など発電設備、蓄電池などのエネルギーリソースを、IoT技術を活用して統合・制御し、あたかも1つの発電所のように機能させる仕組みです。E-Flowでは、多様なエネルギーリソースを統合・制御するアグリゲーターとしてVPP事業に参画しており、現在関西だけでなく、全国250地点以上のリソースを運用。調整力公募、容量市場、需給調整市場などでの市場取引を行っています。

VPPの役割は?

お客さまが保有する分散型エネルギーリソースを束ね、統合・制御することにより、電力の需給バランス調整に活用することができます。2012年の固定価格買取制度(FIT)の導入により、太陽光発電を中心に再エネの導入が急速に拡大しました。太陽光や風力は気象条件によって発電量が大きく変動するため、これまで以上に調整力が求められています。一方、再エネの増加とともに、需給調整を担う火力発電の休廃止が相次いでおり、電力の安定性を保つのは今までよりも難しくなっています。
そこで、再エネの不安定さを補い、需給調整を担う仕組みとして注目されているのがVPPです。企業や自治体などが保有する電源の1つ1つは小規模ですが、これらを統合・制御することで需給調整に活用できます。VPPは再エネの余剰電力を吸収することができ、電力不足時の供給力としての役割を期待されています。

どのように需給バランスを調整しているの?

1つの手法が、デマンドレスポンス(DR)です。デマンドレスポンスには需要を減らす「下げDR」と、需要を増やす「上げDR」があります。「下げDR」では、製造ラインや空調設備など設備の運転を抑制し、需要を減らす。「上げDR」では設備を動かし需要を増加させます。

仕事のやりがいは?

企業や自治体など様々なお客さまへ営業、提案する機会があり、一緒に「電力の安定供給」という目標に向けVPP事業を盛り上げていくことにやりがいを感じています。工場や商業施設等に設置された発電設備や蓄電池は本来、構内の電力を賄うために設置されています。VPPへの参加で本業に支障がないか、不測の事態への対応など1つ1つの質問に丁寧に応え、信頼関係を構築していくことは難しくもありやりがいを感じます。停電対策用に設置された蓄電池など平時に活用できていないリソースはまだまだあり、VPPへ参加するお客さまの獲得に全力を注ぎたいです。

今後の抱負を!

EV化や住宅への太陽光パネル設置義務化などの流れがあり、分散型エネルギーリソースはますます増え、VPP事業はさらに成長していくと考えています。競争激化も予想されますが、2030年までに分散型エネルギーリソース250万kW獲得という大きな目標達成に向け、リソース獲得に力を尽くしたいです。

山下 裕也
山下 裕也
E-Flow合同会社
事業推進本部 オペレーショングループ
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