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2023.5.31
NRI「Withコロナ期における生活実態国際比較調査」2020年
新型コロナウイルス感染拡大を契機に、急速に拡大したテレワーク。2020年の調査では、顧客や同僚とのコミュニケーション上の支障は各国で一定程度見られたが、日本は他国と比較して孤独感やストレスを感じる人が少なく、心理面での支障が少ないという結果に。これは良いこととも捉えられるが、一方で偶発的な会話が減り、新しいアイデアやイノベーションが起きにくくになっている可能性もある。
3年が経過し、テレワークはすっかり定着。今後も大都市圏を中心にテレワークは定着していくだろう。理由として、「在宅勤務を選択・継続できるなら、収入が下がってもよい」という人が一定数いることが挙げられる。テレワークによって子育てしやすくなる等のメリットがあるからだろう。特に20~30代の人にとって在宅勤務が生活満足度向上につながっていると推察され、人材確保の面でも、テレワークの活用は有効だ。
テレワークの定着に伴い、オフィスの役割を見直す動きもある。オフィスを懇親の場と定義し直し、オープンスペースを拡充したり、カフェやバーの機能を持たせる会社も出てきている。ソーシャルメディアやメタバース上での仮想オフィスなど、幅広いチャネルの活用により、コミュニケーションの課題はある程度解決されていくだろう。
働く場所を選ばないテレワークは地方創生にもつながる。地方を中心にワーケーション(Work+Vacation)を取り込もうと受け入れ体制を強化する自治体も増えている。ワーケーションを通じて企業と自治体の関係が深化し、地域の課題解決やイノベーションにつながる事例もあり、新たな働き方への期待が高まる。