「睡眠力はビジネススキル」。こう言い切る睡眠コンサルタントの友野なおさんに、ビジネスパーソンのための睡眠術を聞いた。
多くの研究で睡眠不足は思考力・判断力・記憶力などを低下させ、ミスや事故を誘発することがわかっています。米ペンシルベニア大学の研究では、4時間睡眠では1日徹夜した時と同じレベルまで認知機能が落ちるという結果に。また、睡眠に問題を抱えている人は仕事上のケガの発生率が1.6倍高くなるという研究報告も。睡眠不足では、パフォーマンスが落ちるうえに、安全も脅かされてしまいます。
【睡眠診断】
午前中から眠気がある、日中集中力が維持できない場合は、睡眠時間が足りていない可能性があります。逆に、「ベッドに入ったらあっという間に眠れる」という人も注意が必要です。目を閉じてから10分程度まどろむ時間を経て眠るのが本来の姿。寝つきが良いのではなく、気絶するように眠りに落ちており、慢性的な睡眠不足かもしれません。
良い睡眠をとるには、日中の過ごし方が重要です。1つは「日光を浴びること」。まず、朝起きたらすぐ窓際に立ち、日光を浴びてください。人は目覚めて日光を浴びてから約15時間後に眠くなるようできており、眠りの予約ボタンを押す役割があります。通勤電車やオフィス、ランチの時もできるだけ日光を感じられる場所をキープすることが望ましい。
もう1つは、「運動」。快眠に繋げるには、18時〜20時の間で、20分〜30分程度行いましょう。18時〜20時は1日の中でも覚醒レベルが高い時間帯で、最も運動に適しています。1駅歩くなど、アフターファイブに手軽に続けられる方法を探してみては。
翌朝早いから、と早めにベッドに入ってもなかなか眠れないという人も多いのでは。眠れずベッドで悶々とすることが、不眠症の引き金になることも。早起きが必要なときは、前日から起床時間を早め、早く眠くなるよう調整しましょう。
睡眠不足を感じたら、休日に一旦いつもの時間に起きて日光を浴び、朝食をとってから、午前中に1時間ほど眠りましょう。起床時間は変えず、就寝時間を1時間早めることも効果的。ついやってしまいがちですが、寝だめはNG。寝だめをして起床時間が遅くなると、その分眠くなる時間が遅くなり、体内時計が乱れる原因になります。
睡眠不足解消に近道はありません。毎日7~8時間の質のいい睡眠を確保し、睡眠不足に陥らないことが重要です。