現場取材|中央給電指令所 安定供給の舞台裏
かんでん Update
2022.3.31

現場取材|中央給電指令所 安定供給の舞台裏

電気の需要と供給のバランスを保ち安定供給を支え続ける中央給電指令所。その舞台裏を関西電力送配電 中央給電指令所の酒井祐介に聞いた。

中央給電指令所の役割は?

中央給電指令所

時々刻々と変化する電気の使用量を予測しながら、調整電源をコントロールするのが中央給電指令所(中給)の役割です。電気は貯めることができないので、需要と供給を常に一致させる必要があり、バランスが崩れると最悪の場合、エリア全体が停電してしまいます。停電には至らずとも、瞬間的な電圧低下でも工場の製造ライン等に影響を与えてしまいます。

電気の「質」を左右する電圧や周波数を適切に維持・管理することが安定供給の基本。中給では、需給計画などを担当する日勤所員と、需給調整を行う当直所員、計61人体制で電気使用量の変動を24時間365日監視し、需給バランスを調整しています。

電気使用量の予測はどのように行う?

天候や気温などの気象データ、過去の需要実績、曜日、イベントの有無などさまざまな要因を加味して最大需要を想定し、各時間帯の電気の使用量を想定していきます。月間、週間、翌日と徐々に精度をあげ、当日に臨みます。

仕事の難しさは?

電気の使用量は時々刻々と変わります。入念に需要予測をしても、発電所の設備トラブル等で対応を見直さざるを得ないこともあります。状況変化に対して、あらかじめ準備をしておりますが、判断の遅れや状況把握を誤ると大規模停電につながりかねず、プレッシャーは大きいです。

需給逼迫時の対応は?

全ての発電所が動いているわけではないので、逼迫時には、待機中の発電所をすぐさま稼動させます。調整力の高い揚水発電を稼動させ、予め確保していた厳気象(猛暑および厳寒)用の調整用電源を発動するなどして電力をかき集めます。それでも足りない場合は、他エリアへ応援融通を要請します。

不測の事態に備えた訓練も実施している?

関西電力送配電 中央給電指令所 酒井 祐介

関西電力送配電 中央給電指令所 酒井 祐介

緊急時にやるべきことをしっかりできるよう、教育・訓練にも力を入れています。訓練ではシミュレータを使って、模擬的に事故を起こし、復旧対応を行います。個人訓練、チーム訓練を合わせると、1人年間20回ほど事故対応・復旧訓練を実施しております。基本的な動作を身につけるものから、大きな事故を想定したものまで、的確に対応できるよう技能の維持・向上に努めています。

今後の抱負を!

再生可能エネルギーの増加などに伴い、需給予測は難しくなっていきます。需給逼迫を起こさないよう、需給想定の精度を上げていくとともに、急なトラブルなどで需給が逼迫した場合でも、判断に迷うことなく対応できるよう、教育や訓練にも力を入れ、所員一丸となって安定供給を守っていきます。

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