

出典:日本総合研究所「全国47都道府県幸福度ランキング2024年版」
「全47都道府県幸福度ランキング」で、2014年以降、6回連続で総合1位を獲得する福井県。ランキングでは、教育・仕事・生活・健康・文化の5分野の内、特に教育、仕事分野が高く評価されている。教育については、三世代同居や祖父母が近居する割合が高く、家族や地域の支えにより、子供たちが安心して勉強や運動に打ち込めることが背景にある。仕事では、人口1,000人あたりの事業所数が全国トップで、繊維や眼鏡、電子部品など高付加価値なものづくりが盛ん。地元に産業基盤があることで、女性や高齢者の有業率の高さ、若者の失業率低下をもたらしている。福井県は社長輩出率日本一*でもある。地元で育った優れた人材が地域経済を支える好循環が、幸福度の高さ、ウェルビーイングの強さに繫がっているのではないか。
*帝国データバンク調査
ただし、幸福度ランキングは、所得や進学率など客観的データによるもので、個人の幸福実感とは異なるという指摘もある。福井県では、県民の主観的な幸福度を高めるべく、23年にウェルビーイング政策推進チームを設置し、官民共創でプロジェクトを推進している。大切にしているのは研究やエビデンスに基づくこと。福井県立大学地域経済研究所と共同で行ったアンケート調査で、ありのままの自分でいられる居場所が幸福度に関連するとわかり、小学校で短所を長所に捉えなおすリフレーミングを伝えるヒーロー劇を実施。家族でお互いのいいところ探しをするワークショップも行い、ありのままの自分の良さを認識してもらった。また、幸せについて対話している人は幸福度が高いというエビデンスをもとに、県民が「私の幸せ」を言葉にしながら次々にブーケを投げ渡す動画を制作するなどユニークな取り組みが次々と生まれている。
幸福度との関連はまだ検証されていないものの、福井県や県内市町が支援するU・Iターン者数は増え続けている。人々の幸福実感を高める取り組みは、地域の人口減少に歯止めをかけることにも繫がるかもしれない。福井県でのさまざまな取り組み事例が全国に広がり、多くの人にとって多様な幸福実現のモデルになれば嬉しい。
