余話一話
2021.7.15
信頼関係があるからこそはっきり言える、そう話すのは放送作家の野々村友紀子さん。ユーモアのある毒舌が人気を集めている。
テレビ番組で夫の相方に説教する姿が印象的だが、もっと良くなるためにという思いで叱っているという。「ガツンと言いたいなら相手を見ないとダメ。相手のいいところも伝え、しっかり見ていると認識させて、信頼関係を築くことが大切。夫の相方にも『ネタはちゃんとできているのに』と良いところも伝える。良いところも見ているとわかれば、相手も信頼して心を開く」
何のために叱るのか、目的を持つことも大切だそうだ。「はっきり言えない、叱れないのは目的が曖昧だから。目的は、悪いやり方を正してもらうこと。相手をヘコませることではないんです。そう思えばはっきり伝えられるのでは」
子供を叱るコツを聞くと、「私もうまくできていない、難しい」と笑う。「気を付けているのは1つに絞って短く叱る。大人は経験をもとに『こんなんしてたら将来困る』『外で笑われるで』とか、大げさに言って大ごとにしてしまいがち。余計な事を言わず目の前の問題だけを叱るようにしている」
「普通はこうやろ」と見えない誰かと比較する言葉は使わない。思わず言ってしまいがちな言葉だが、言われた方はカチンとくる。あくまでも「私はこう思う」と話すようにしているという。相手のことを思った言葉は、より真摯に受け止めてもらえるかもしれない。