コラム|伝わる叱り方【野々村友紀子】
余話一話
2021.7.15

コラム|伝わる叱り方【野々村友紀子】

信頼関係があるからこそはっきり言える、そう話すのは放送作家の野々村友紀子さん。ユーモアのある毒舌が人気を集めている。

テレビ番組で夫の相方に説教する姿が印象的だが、もっと良くなるためにという思いで叱っているという。「ガツンと言いたいなら相手を見ないとダメ。相手のいいところも伝え、しっかり見ていると認識させて、信頼関係を築くことが大切。夫の相方にも『ネタはちゃんとできているのに』と良いところも伝える。良いところも見ているとわかれば、相手も信頼して心を開く」

何のために叱るのか、目的を持つことも大切だそうだ。「はっきり言えない、叱れないのは目的が曖昧だから。目的は、悪いやり方を正してもらうこと。相手をヘコませることではないんです。そう思えばはっきり伝えられるのでは」

子供を叱るコツを聞くと、「私もうまくできていない、難しい」と笑う。「気を付けているのは1つに絞って短く叱る。大人は経験をもとに『こんなんしてたら将来困る』『外で笑われるで』とか、大げさに言って大ごとにしてしまいがち。余計な事を言わず目の前の問題だけを叱るようにしている」

「普通はこうやろ」と見えない誰かと比較する言葉は使わない。思わず言ってしまいがちな言葉だが、言われた方はカチンとくる。あくまでも「私はこう思う」と話すようにしているという。相手のことを思った言葉は、より真摯に受け止めてもらえるかもしれない。

野々村友紀子
野々村友紀子 放送作家
1974年大阪府生まれ。バラエティ番組の企画構成に加え、アニメやゲームのシナリオ制作もするなど多方面で活躍中。歯に衣着せぬコメントでメディア出演も多数。著書に『ハッキリものを言って嫌われる人、好かれる人の伝え方』『夫が知らない家事リスト』など
https://ameblo.jp/nonomura-yukiko/
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