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2016年11月10日
関西電力株式会社

「原子力発電の安全性向上に向けた自主的かつ継続的な取組みのさらなる充実」に関する進捗状況について(平成28年度上期)

 当社は、美浜発電所3号機事故の反省を踏まえながら、安全最優先の事業運営を行ってきましたが、その中で、東京電力福島第一原子力発電所事故から、原子力発電固有のリスクに対する認識や向き合う姿勢が十分ではなかったのではないかということを教訓として学びました。このことを踏まえ、「原子力発電の安全性向上に向けた自主的かつ継続的な取組みのさらなる充実」(以下、ロードマップ)を策定し、これに沿った取組みを進めていくこととしました。

平成26年6月20日 お知らせ済み]

 当社は、ロードマップにおける取組みを全社一体となって確実に実施していくとともに、その進捗状況について定期的に公表することとしており、今回、平成28年度上期(平成28年4月から平成28年9月実施分)の進捗状況を取りまとめました。
 主な内容は、以下のとおりです。

(1)原子力安全の浸透および定着
  • ・社達「原子力発電の安全性向上への決意」(以下、「決意」)に関する新たなウェブ上での研修を実施し、さらにその中で、社長交代後、改めて「決意」に込めた思いについて社員に対する社長メッセージを発信し、原子力安全の浸透および定着に取り組みました。
(2)リスクマネジメントの充実
  • ・国内外知見の充実を図るため、フランス電力株式会社(以下、EDF)との情報交換協定に基づき、当社で唯一、姉妹発電所交流協定を結んでいる大飯発電所とEDFゴルフェッシュ発電所との情報交換により得られた知見を踏まえ、大飯発電所での緊急時活動の改善に向けた検討に取り組みました。その後、検討した「個人単位の役割の明確化」および「実施事項のチェックシート化」について、原子力防災訓練で試行実施し、平成28年8月に正式に導入しました。これらは、平成28年8月に高浜発電所へも導入し、今後、平成28年度下期に美浜発電所へも水平展開することとしています。
  • ・リスクコミュニケーションについては、高浜発電所1、2号機における40年以降の運転に対する福井県内にお住まいの方々のご意見に向き合うコミュニケーションを実施し、いただいたご意見やご要望を経営層と情報共有しています。
(3)原子力事業本部における安全性向上に向けた基盤整備
  • ・原子力防災訓練においては、国や福井県、周辺自治体などと連携するとともに、新たに締結した原子力事業者の5社相互協力を活用するなど、事故対応の実効性向上に努めました。その訓練の一環として発電所構内では、送水車を用いた事故収束訓練や、放射線量が高い場所で活動を行うロボットを導入した訓練を行いました。
  • ・指揮者、所員に対する教育・訓練については、事故時対応能力の向上に向け、平成28年2月に起きた高浜発電所4号機のトラブル(原子炉自動停止)の再発防止策を反映した研修等を実施しました。

 なお、当社が平成16年以降取組みを進めてきた美浜発電所3号機事故再発防止対策とロードマップは、ともに「安全最優先」の理念の下に策定しており、共通する取組内容があること等を踏まえ、平成28年度下期以降、両者を統合することとしました。
 平成28年度下期の進捗状況については、来年春頃にお知らせする予定です。

 当社は、今後も引き続き、ロードマップにおける取組みを含め、規制の枠組みにとどまることなく、原子力発電の安全性向上に向けて、自主的・継続的に取組みを進めてまいります。

  • ※ 平成16年8月9日、美浜発電所3号機のタービン建屋において、二次系配管が破損し、配管から熱水と蒸気が噴出した事故。事故当時、定期検査の準備作業をしていた協力会社の方が被災し、5名の方がお亡くなりになり、6名の方が重傷を負われた。

以 上

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