プレスリリース

2015年6月3日
関西電力株式会社

「原子力発電の安全性向上に向けた自主的かつ継続的な取組みのさらなる充実」に関する進捗状況について(平成26年度下期)

 当社は、美浜発電所3号機事故※1の反省を踏まえながら、安全最優先の事業運営を行ってきましたが、その中で、東京電力福島第一原子力発電所事故から、原子力発電固有のリスクに対する認識や向き合う姿勢が十分ではなかったのではないかということを教訓として学びました。このことを踏まえ、「原子力発電の安全性向上に向けた自主的かつ継続的な取組みのさらなる充実」(以下、ロードマップ)を策定し、これに沿った取組みを進めていくこととしました。

平成26年6月20日 お知らせ済み]

 当社は、このロードマップにおける取組みを全社一体となって確実に実施していくとともに、その進捗状況について、定期的に公表することとしており、このたび、平成26年度下期(平成26年10月から平成27年3月実施分)の進捗状況を取りまとめました。
 主な内容は、以下のとおりです。

(1)原子力安全に係わる理念の明文化と共有
  • ・昨年8月1日に制定した社達※2「原子力発電の安全性向上への決意」を踏まえ、原子力部門では職場単位で実践する安全行動目標を定め、評価・改善をしながら継続的に活動を展開し、原子力部門以外では職場ディスカッションを実施する等、「決意」の浸透を図るための活動を展開しました。
(2)リスクマネジメントの充実
  • ・国内外知見の収集の充実を図るため、昨年10月に米国のデューク・エナジー社と新たに情報交換協定を締結し、同11月には既協定締結先であるフランス電力株式会社およびスペインのイベルドローラ原子力発電株式会社と、トップマネジメント会合や実務者レベルの情報交換を行い、リスクマネジメントの強化に取り組みました。
  • ・安全性評価の充実に向けて、高浜発電所3、4号機における重大事故に対処するための設備や事故時の対応手順をモデルに、確率論的リスク評価(PRA)を推進しました。
    また、電気事業連合会のPRA推進チームに協力し、電力中央研究所リスク研究センター幹部との意見交換も行う等、電気事業者のPRA活動方針の策定や高度化に向けた取組みに積極的に携わりました。
  • ・ステークホルダーのご意見を、これまで以上にリスクマネジメントに反映し、原子力発電の安全性向上につなげるため、リスクコミュニケーションの取組みスタンスや目的について認識の統一を図り、ステークホルダーとリスクコミュニケーションを実施しました。
  • ・万が一、重大事故が発生した場合を想定して、住民の方の避難の協力要員数を約5倍に増やすよう、原子力事業者間の協力協定を改定するとともに、内閣府主催の福井エリア地域原子力防災会議作業部会高浜分科会で、事業者としての住民の方の避難支援策を提示する等、避難計画の検討について積極的に協力しました。
(3)原子力事業本部における安全性向上に向けた基盤整備
  • ・万が一、重大事故が発生した場合に備え、体制・手順の充実・強化を進めるとともに、重大事故対応要員の教育・訓練を充実・強化し、対応能力の向上を図りました。

 なお、次回は、平成27年度上期の進捗状況を取りまとめ、本年秋頃にお知らせする予定です。

 当社は今後も引き続き、「ロードマップ」における取組みを含め、規制の枠組みにとどまることなく、原子力発電の安全性向上に向けて、自主的・継続的に安全性の向上に取り組んでまいります。

  • ※1:平成16年8月9日、美浜発電所3号機のタービン建屋において、二次系配管が破損し、配管から熱水と蒸気が噴出した事故。事故当時、定期検査の準備作業をしていた協力会社の方が被災し、5名の方がお亡くなりになり、6名の方が重傷を負われた。
  • ※2:最上位の社内規程。主に「経営方針等に関する事項」について定めたものを社達としている。

以 上

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