プレスリリース

2014年2月26日
関西電力株式会社

下水熱を利用した業務用ヒートポンプ給湯・暖房システムの開発について

 当社は、公立大学法人大阪市立大学、株式会社総合設備コンサルタント、中央復建コンサルタンツ株式会社と共同で、平成22年から独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「都市域における下水管路網を活用した下水熱利用・熱融通技術」の研究開発を受託し、システムの開発や実証試験など実用化に向けた研究を続けてきましたが、このたび、下水熱を利用した業務用のヒートポンプ給湯・暖房システム(能力30kW~500kW)を開発しました。

 ヒートポンプを活用した給湯・暖房システムは、省エネ・省COを実現することから普及が進んでいます。現在、空気を熱源にするものが主流ですが、今回開発したシステムは、今まで未利用であった、都市部に張り巡らされた下水管路を流れる未処理下水を熱源にするヒートポンプシステムです。
 従来、下水道法により下水管路から未処理下水を取水することは認められていませんでしたが、平成24年8月に成立した「都市の低炭素化の促進に関する法律」で特例が設けられたことにより、下水熱利用のための未処理下水の取水が可能となったものです。

 具体的には、未処理下水を使うために下水管路を流れる水中のゴミなどを取り除く必要があることから、今回、既存のマンホール内の下水管の下部にスクリーン※1を設置することで、未処理下水を熱交換器に送ることが可能となりました。
 また、未処理水を活用できる効率の良い熱交換器を開発したことで、従来のシステムに比べて総合効率※2は約2倍となり、給湯・暖房にかかるランニングコストを7割程度削減できると考えています。

  • ※1:網目の直径3mmのパンチングメタル式のスクリーンと縦型スリット式のスクリーンの2方式を開発。
  • ※2:燃焼式ボイラとの比較。給湯・暖房に使用する熱量(MJ[メガジュール])を、運転時のエネルギー消費量(MJ[メガジュール])で除した値で、この値が大きいほど省エネルギー性が高いことを示す。

 当社としては、今後、ホテル、病院や福祉・温浴施設などで本システムを活用いただくことで、さらなる省エネ・省COに貢献できると考えており、お客さまや地域の皆さまにご提案するとともに、引き続き、省エネ・省COに資する活動を積極的に進めてまいります。

以 上

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