プレスリリース
2012
2012年7月17日
関西電力株式会社
大飯発電所4号機の原子炉起動および調整運転の開始について
大飯発電所4号機 第14回定期検査の概要
- 1.主要工事等
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(1)低圧/高圧タービン取替工事 (図−1参照) 国外で発生した低圧タービン円板での応力腐食割れ事象を踏まえ、予防保全対策として、低圧タービンについて、円板と軸を一体成型した全一体ロータ構造の採用や材料の強度変更等により信頼性の向上を図った最新型に取り替えました。
また、高圧タービンについても、信頼性向上の観点から低圧タービンと併せて取り替えました。※1- ※1 当該工事に伴い、タービン性能が向上することにより、定格熱出力一定運転において電気出力が約3〜4%上昇する。
(2)耐震裕度向上工事 (図−2参照) 既設設備の耐震性を一層向上させるため、主蒸気系統や主給水系統および余熱除去系統の配管の支持構造物を強化しました。
(3)600系ニッケル基合金溶接部の応力腐食割れに係る予防保全工事 (図−3参照) 国内外PWRプラントにおける応力腐食割れ事象を踏まえ、予防保全対策として、加圧器のサージ管台、安全弁管台、逃がし弁管台、スプレイライン管台について、600系ニッケル基合金で溶接された管台から耐食性に優れた690系ニッケル基合金で溶接された管台に取り替えました。
(4)原子炉保護装置取替工事 (図−4参照) 原子炉保護装置※2について、電子部品が製造中止になったことから、今後の保守性を考慮して、原子炉安全保護計装盤と原子炉安全保護ロジック盤を最新設計のものに取り替えました。
- ※2 1次冷却材系統の圧力・温度信号などからプラントの異常を検出して、原子炉トリップしゃ断器および工学的安全施設を動作させるための装置。
(5)原子炉照射試験片取出工事 中性子照射による原子炉容器の材料特性変化を定期的に把握するため、原子炉容器内部に設置している照射試験片を取り出しました。(今回で3回目)
- 2.設備保全対策
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2次系配管の点検等 (図−5参照) - ・当社の定めた「2次系配管肉厚の管理指針」に基づき、2次系配管965箇所について超音波検査(肉厚測定)等を実施しました。その結果、必要最小厚さを下回る箇所および次回定期検査までに必要最小厚さを下回る可能性があると評価された箇所はありませんでした。(超音波検査922箇所、内面目視点検43箇所)
- ・今定期検査開始時には48箇所の配管取替を計画していましたが、今後の保守性を考慮して46箇所を追加し、合計94箇所の配管を耐食性に優れたステンレス鋼または低合金鋼の配管に取り替えました。
3.蒸気発生器伝熱管の渦流探傷検査結果 |
蒸気発生器4台のうち、BおよびD−蒸気発生器伝熱管全数(3,382本×2台、計6,764本)について渦流探傷検査を実施し、異常のないことを確認しました。
4.燃料集合体の取替え |
燃料集合体全数193体のうち、77体(うち56体は、55,000MWd/t高燃焼度燃料の新燃料集合体)を取り替えました。
また、燃料集合体の外観検査(49体)を実施した結果、異常は認められませんでした。
5.福島第一原子力発電所事故を踏まえた特別点検等 | (図−6参照) |
非常用炉心冷却系統や格納容器スプレリングの健全性確認および使用済燃料ピット冷却系統ポンプの分解点検、非常用炉心冷却系統の耐震サポート、屋内外タンク基礎ボルト等の点検を行い健全性を確認しました。
また、使用済燃料ピットの監視強化のため、水位計、温度計の電源供給を常用電源から非常用電源に変更するとともに非常用電源から電源供給される水位監視カメラを設置しました。
6.次回定期検査の予定 |
平成25年秋頃
なお、定期検査の作業工程については、別紙を参照下さい。
以 上