プレスリリース

2012年5月23日
関西電力株式会社

九州電力株式会社玄海原子力発電所3号機で確認された充てんポンプの主軸の折損を踏まえた、当社確認結果の報告について

 当社は、平成24年4月23日に原子力安全・保安院より「九州電力株式会社玄海原子力発電所第3号機で確認された充てんポンプ主軸の折損を踏まえた確認等について(指示)」を受け、同型ポンプの設置有無の調査ならびに設置されている場合における健全性評価等を行い、その確認結果をとりまとめ、本日、原子力安全・保安院に報告書を提出しました。

 指示内容に基づき、当社設備を確認した結果は次のとおりです。

  • 1玄海発電所3号機と同じ型式(遠心式)のポンプは、3発電所で16種類383台が設置されていました。
  • 2これらのポンプについて、気体の流入等、主軸に異常な振動が発生すると考えられる要因を検討し、評価した結果、高浜発電所2号機 充てん/高圧注入ポンプ3台が、一定の運転を仮定した場合には、ポンプの入口配管からガスなどの気体等が流れ込み、主軸に異常な振動が発生する可能性があることが分かりました。
    そのほかの380台のポンプについては、気体の流入等の可能性がないと評価しました。
  • 32で抽出した高浜発電所2号機 充てん/高圧注入ポンプ3台について、主軸の加工方法や製作方法を踏まえて健全性評価を実施し、主軸の健全性は確保され、折損しないことを確認しました。

以 上

※平成24年4月23日付 原子力安全・保安院からの指示内容
 平成24年4月23日に九州電力株式会社から、玄海原子力発電所第3号機の充てんポンプの主軸に折損が確認された件について、原因及び対策等に係る報告を受けました。
 当該報告においては、充てんポンプの主軸が折損に至った原因として、体積制御タンクの低水位での長期間運転に伴い充てんポンプに気体が流入し主軸に異常な振動が発生していたこと、主軸製作時の加工工法により割りリング溝部の曲率半径が図面指示値より小さくなっていたこと及び羽根車の焼きばめに伴い割りリングと主軸が接触していたことが、主軸の折損に至った原因と推定しています。
 当院は、本事象と同様の型式のポンプ(以下「同型ポンプ」という。)にて、過去にも本事象と同様の主軸の折損事象が発生していることに鑑み、貴社に対して、下記の事項について求め、その結果について、同年5月23日までに当院に対し報告することを求めます。
  • 1.安全上重要な設備のうち、同型ポンプが設置されているか確認すること。
  • 2.上記1.の結果、同型ポンプが設置されていることが確認できた場合、同型ポンプへの気体の流入などにより、運転中の同型ポンプの主軸に異常な振動が発生する可能性について評価を行うこと。
  • 3.上記2.の結果、異常な振動が発生する可能性がある場合、同型ポンプの主軸の加工方法、製作方法を考慮した上で、その異常な振動で主軸が折損に至るかどうか評価を行うこと。
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