プレスリリース

2011年7月20日
関西電力株式会社

大飯発電所4号機の定期検査開始について

大飯発電所4号機 第14回定期検査の概要

1.主要な工事等
(1)低圧/高圧タービン取替工事 図−1参照

 国外で発生した低圧タービン円板での応力腐食割れ事象を踏まえ、予防保全対策として、低圧タービンについて、円板と軸を一体成型した全一体ロータ構造の採用や材料の強度変更等により信頼性の向上を図った最新型に取り替えます。
 また、高圧タービンについても、信頼性向上の観点から低圧タービンと併せて取り替えます※1

  • ※1 当該工事に伴い、タービン性能が向上することにより、定格熱出力一定運転において電気出力が最大約4%上昇する。
(2) 耐震裕度向上工事 図−2参照

 既設設備の耐震性を一層向上させるため、主蒸気系統や主給水系統および余熱除去系統の配管の支持構造物を強化します。

(3)600系ニッケル基合金溶接部の応力腐食割れに係る予防保全工事
図−3参照

 国内外PWRプラントにおける応力腐食割れ事象を踏まえ、予防保全対策として、加圧器のサージ管台、安全弁管台、逃がし弁管台、スプレイライン管台について、600系ニッケル基合金で溶接された管台から耐食性に優れた690系ニッケル基合金で溶接された管台に取り替えます。

(4)原子炉保護装置取替工事 図−4参照

 原子炉保護装置※2について、電子部品が製造中止になったことから、今後の保守性を考慮して、原子炉安全保護計装盤と原子炉安全保護ロジック盤を最新設計のものに取り替えます。

  • ※2 1次冷却材系統の圧力・温度信号などからプラントの異常を検出して、原子炉トリップしゃ断器および工学的安全施設を動作させるための装置。
(5)原子炉照射試験片取出工事

 中性子照射による原子炉容器の材料特性変化を定期的に把握するため、原子炉容器内部に設置している照射試験片を取り出します。(今回で3回目)

2.設備の保全対策
(1)2次系配管の点検等 図−5参照

 当社の定めた「2次系配管肉厚の管理指針」に基づき、2次系配管965箇所について超音波検査(肉厚測定)等を実施します。
 (超音波検査922箇所、内面目視点検43箇所)
 また、過去の点検で減肉が確認された部位5箇所、配管の保守性を考慮した部位13箇所、配管取替時の作業性を考慮して取り替える部位30箇所、合計48箇所を耐食性に優れたステンレス鋼または低合金鋼の配管に取り替えます。

3.燃料集合体の取り替え

 燃料集合体全数193体のうち77体(うち60体は新燃料集合体で55,000MWd/tの高燃焼度燃料)を取り替える予定です。

4.福島第一原子力発電所事故を踏まえた特別点検等 図−6参照

 非常用炉心冷却系統や格納容器スプレイリングの健全性確認、使用済燃料ピット冷却系統ポンプの分解点検を行います。また、使用済燃料ピットの水位計と温度計の電源を非常用電源に変更します。

5.その他

 原子炉起動については、福島第一原子力発電所事故に対する安全対策の実施状況を踏まえ、地元のご理解を得ながら計画します。

以 上

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