プレスリリース
2010
2010年11月22日
関西電力株式会社
美浜発電所1号機の定期検査開始について
美浜発電所1号機 第25回定期検査の概要
- 1.主要工事等
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(1)耐震裕度向上工事 (図−1参照) 既設設備の耐震性を一層向上させるため、安全注入系統や余熱除去系統などの配管、格納容器排気系統やアニュラス排気系統などのダクト、蒸気発生器や1次系冷却水クーラなどの機器の支持構造物の強化等を行います。
(2)高サイクル熱疲労割れに係る対策工事 (図−2参照) 国内外PWRプラントにおける高サイクル熱疲労割れ事象(温度ゆらぎによる熱疲労)を踏まえ、2系列ある充てん配管のうち、使用していない系列の充てん配管、隔離弁などを撤去します。
(3)格納容器再循環サンプスクリーン取替工事 (図−3参照) 1次冷却材喪失事故時に格納容器再循環サンプスクリーンが異物混入により機能低下することを防止する観点※1から、スクリーンをより表面積が大きいものに取り替えます。
- ※1 国外BWRプラントでの非常用炉心冷却系統ストレーナの閉塞事象を踏まえた原子力安全・保安院の指示を受け、格納容器再循環サンプスクリーンの有効性を評価した結果、設備上の対策が必要であると評価された。なお、設備上の対策を講じるまでは、閉塞事象発生時対応マニュアルの整備などの暫定対策を講じており、安全上の問題が生じることはない。
(4)主変圧器取替工事 (図−4参照) 主変圧器のコイル絶縁性能が経年劣化の傾向にあることから、予防保全として主変圧器を新品に取り替えます。
(5)復水器伝熱管取替工事 (図−5参照) 復水器伝熱管からの海水漏えいを防止するため、伝熱管を銅合金製から耐食性に優れたチタン製に取り替えます。
(6)加圧器スプレイ弁取替工事 (図−6参照) 加圧器スプレイ弁の保守性向上の観点から、輸入弁から部品調達の容易な国産弁へ取り替えます。この取替えにあたっては、弁点検時の作業スペース確保のため、弁の取付け位置を変更することから、弁に接続する出入口配管等を取り替えます。
(7)亜鉛注入装置設置工事 (図−7参照) 作業員の被ばくを低減する観点から、コバルト−60等の放射性物質が機器や配管内表面に付着することを抑制するため、1次冷却材中に亜鉛を注入する装置※2を化学体積制御系統に設置します。
- ※2 1次冷却材中に放射化しにくい亜鉛を注入して、機器や配管内表面に皮膜を形成させることにより、コバルト−60等の放射性物質が機器・配管内表面へ付着することを抑制し、1次冷却材系配管等の線量を低減する。亜鉛注入は、国内プラントでの実績がある。
(8)1次冷却材ポンプ電源監視回路改造工事※3 (図−8参照) 1次冷却材ポンプ駆動用電源の電圧および周波数の低下を監視する装置の電源が喪失した状態で運転することを防止するため、監視装置の電源が喪失した場合には中央制御室に警報を発報するとともに、「電源電圧低」および「電源周波数低」の信号を発信する回路構成に変更します。
- ※3 国内PWRで、1次冷却材ポンプ駆動用電源の監視装置の電源が喪失した状態で運転した事象を踏まえ、原子力安全・保安院は事業者に対し平成22年5月に監視装置の電源が喪失した場合に中央制御室に警報を発報する等の設備改善を行うよう指示した。
- 2.設備の保全対策
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(1)2次系配管の点検等 (図−9参照) 当社の定めた「2次系配管肉厚の管理指針」に基づき、2次系配管413箇所について超音波検査(肉厚測定)等を実施します。(超音波検査400箇所、内面目視点検13箇所)
また、配管取替え時の作業性を考慮した部位7箇所、および今後の保守性を考慮した部位86箇所、合計93箇所を耐食性に優れたステンレス鋼または低合金鋼の配管に取り替えます。
- 3.燃料集合体の取り替え
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燃料集合体全数121体のうち37体(うち32体は新燃料集合体)を取り替える予定です。
- 4.今後の予定
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原子炉起動、臨界 :平成23年 4月上旬 調整運転開始 :平成23年 4月上旬 本格運転再開 :平成23年 4月下旬 なお、定期検査の作業工程については、別紙を参照下さい。
以 上