プレスリリース

2010年9月27日
関西電力株式会社

高浜発電所2号機の原子炉起動および調整運転の開始について

高浜発電所2号機 第26回定期検査の概要

1.今回の定期検査を利用して実施した主要な工事
(1)600系ニッケル基合金溶接部の応力腐食割れに係る予防保全工事
図−1参照

 国内外PWRプラントにおける応力腐食割れ事象を踏まえ、600系ニッケル基合金が使用されている部位に、予防保全対策として下記の工事を実施しました。

  • 1原子炉容器出入口管台について、溶接部内面全周を研削した後、耐食性に優れた690系ニッケル基合金で溶接を行いました。
  • 2原子炉容器炉内計装筒管台溶接部について、外観目視点検を行った後、ウォータージェットピーニング工事※1を行いました。
  • 3加圧器サージ管台について、耐食性に優れた690系ニッケル基合金で溶接された管台に取り替えました。
  • ※1 金属表面に高圧ジェット水を吹きつけることにより、金属表面の引っ張り残留応力を圧縮応力に変化させる。
(2)昇圧変圧器取替工事 図−2参照

 昇圧変圧器のコイル絶縁性能が低下傾向にあることから、予防保全として昇圧変圧器一式を新品に取り替えました。

(3)1次冷却材ポンプ供用期間中検査 図−3参照

 1次冷却材ポンプの供用期間中検査として、A号機の主フランジ締め付け部やケーシング内表面について、外観目視点検や超音波探傷検査を行ない、健全性を確認しました。

(4)格納容器再循環サンプスクリーン取替工事 図−4参照

 1次冷却材喪失事故時に格納容器再循環サンプスクリーンが異物混入により機能低下することを防止する観点※2から、スクリーンをより表面積が大きいものに取り替えました。

  • ※2 国外BWRプラントでの非常用炉心冷却系統ストレーナの閉塞事象を踏まえた原子力安全・保安院の指示を受け、格納容器再循環サンプスクリーンの有効性を評価した結果、設備上の対策が必要であると評価された。なお、設備上の対策を講じるまでは、閉塞事象発生時対応マニュアルの整備などの暫定対策を講じており、安全上の問題が生じることはない。
(5)原子炉照射試験片取出工事

 中性子照射による原子炉容器の材料特性変化を定期的に把握するため、原子炉容器内部に設置している照射試験片を取り出しました。(今回で4回目)

(6)1次冷却材ポンプ電源監視回路改造工事 図−5参照

 1次冷却材ポンプ駆動用電源の電圧および周波数の低下を監視する装置の電源が喪失した状態で運転することを防止するため、監視装置の電源が喪失した場合には中央制御室に警報を発報するとともに、「電源電圧低」および「電源周波数低」の信号を発信する回路構成に変更しました。

  • * 国内PWRで、1次冷却材ポンプ駆動用電源の監視装置の電源が喪失した状態で運転した事象を踏まえ、原子力安全・保安院は事業者に対し平成22年5月に監視装置の電源が喪失した場合に中央制御室に警報を発報する等の設備改善を行うよう指示した。
2.設備の保全対策
(1)2次系配管の点検等 図−6参照

 当社の定めた「2次系配管肉厚の管理指針」に基づき、2次系配管717箇所について超音波検査(肉厚測定)等を実施した結果、必要最小厚さを下回る箇所および次回定期検査までに必要最小厚さを下回る可能性があると評価された箇所はありませんでした。(超音波検査705箇所、内面目視点検4箇所、内面目視点検および超音波検査8箇所※3
 また、過去の点検において減肉が確認された部位1箇所、今後の保守作業を考慮した部位133箇所、合計134箇所を炭素鋼または耐食性に優れたステンレス鋼もしくは低合金鋼の配管に取り替えました。

  • ※3 高圧排気管直管部12箇所について、配管内面からの内面目視点検を実施した結果、8箇所に減肉が認められたため、配管外面からの超音波検査を追加で実施。
3.蒸気発生器伝熱管の渦流探傷検査結果

 蒸気発生器3台のうち、AおよびC−蒸気発生器伝熱管全数(3,382本×2台、計6,764本)について、渦流探傷検査を実施し、異常のないことを確認しました。

4.燃料集合体の取替え

 燃料集合体全数157体のうち61体(うち44体は新燃料集合体)を取り替えました。
 燃料集合体の外観検査(8体)を実施した結果、異常は認められませんでした。

5.次回定期検査の予定

 平成23年 秋頃

なお、定期検査の作業工程については、別紙を参照下さい。

以 上

本文へ戻る

プレスリリース