プレスリリース

2010年9月3日
関西電力株式会社

原子力発電所の運営状況について

 当社の原子力発電所における運営状況について、以下のとおりお知らせします。

1.運転状況について(平成22年9月2日現在)
発電所 電気
出力
(kW)
運転状況 備  考
美 浜
発電所
1号機 34.0万 運転中  
2号機 50.0万 第26回 定期検査中
H22年8月20日〜H22年11月中旬予定
 
3号機 82.6万 運転中  
高 浜
発電所
1号機 82.6万 運転中  
2号機 82.6万 第26回 定期検査中
H22年6月9日〜H22年10月下旬予定
 
3号機 87.0万 運転中  
4号機 87.0万 運転中  
大 飯
発電所
1号機 117.5万 運転中  
2号機 117.5万 第23回 定期検査中
H22年6月7日〜H22年11月中旬予定
  • ○主復水タンク内での協力会社社員の負傷について
    【事象概要についてお知らせ(新規お知らせ)】
3号機 118.0万 運転中  
4号機 118.0万 運転中  
  • *定期検査中のプラントについては、定期検査開始〜本格運転再開予定時期を記載。

2.トラブル等情報について

(1)法令に基づき国に報告する事象(安全協定の異常時報告事象にも該当する事象)

なし

(2)安全協定の異常時報告事象


発電所名  大飯発電所2号機 発 生 日 平成22年8月10日
件  名 主復水タンク内での協力会社社員の負傷について     (添付図1)

(概要)
 定期検査中の大飯2号機において、8月10日、主復水タンク*1内で水位計の取付け作業を行なった作業員が、タンクの外に出るために仮設の垂直縄ばしご(全長約13m)を昇っていたところ、高さ約5mの位置で手を滑らせて落下し、右足等を負傷しました。
 調査の結果、本来、この縄ばしごを使用する際は、タンク上部で数名の作業員が使用者を命綱で保持する必要がありますが、今回はこの措置がとられていなかったことがわかりました。
 対策として、当該マンホールを含む縄ばしごを使用する箇所に、命綱なしでの縄ばしごの使用を禁止する旨を掲示します。さらに、現在、実施している安全体感研修に縄ばしごの項目を追加します。

  • *1: 運転中に2次系に補給する水の貯蔵タンク(高さ約15m、外径約11m)、当時は点検のため水は抜かれた状態
事象
および
対 策 等
1.発生状況

 大飯発電所2号機は、第23回定期検査中の8月10日15時15分頃、屋外にある2次系の主復水タンクにおいて、タンク上部のマンホールから仮設の垂直縄ばしご(全長約13m)を使ってタンク内に入り、ダイヤフラム*2に水位計を取り付ける作業を行なった作業員が、作業後、外に出るために縄ばしごを昇っていたところ、高さ約5mの位置で手を滑らせ、タンク床面にあるダイヤフラム上に落下しました。
 病院に搬送し、診察を受けた結果、右足等に負傷が認められ、約2ヶ月の入院・加療が必要と診断されました。

  • *2: タンク内に貯蔵された水の水質を保つため、水が空気と触れないようにする目的で設置されているゴム製の膜
2.調査結果

 発生時の状況を調査した結果、本来、縄ばしごを使用してタンク内に入る際は、タンク上部で数名の作業員が使用者を命綱で保持する必要がありますが、今回はこの措置がとられていなかったことがわかりました。
 作業状況を調査した結果、今回の作業は、タンク内の修繕工事に伴い取り外した水位計を元の状態に復旧する作業で、作業計画では、修繕工事を実施した機械作業班がタンク内で水位計の取り付けを行い、被災者が所属する計装作業班は、この取付け作業に立ち会うとともにタンクの外で水位計の機能確認を行うこととなっていました。ところが、これら作業班の間で当日の作業について事前確認していなかったため、計装作業班は作業分担を誤認し、単独で担当外の水位計取付け作業を実施しました。また、この作業を行なった計装作業班は、過去に縄ばしごを使った経験がなかったため、縄ばしごを使用する際に命綱が必要と思いませんでした。

3.原因

 今回の落下は、命綱等の落下防止措置をとらずに縄ばしごを昇ったためと推定しました。
落下防止措置をとらなかった原因については、作業計画とは異なる作業班が当該作業を実施したため、作業手順書に記載された命綱等の落下防止措置が行われなかったことに加え、作業を実施した作業班に縄ばしごの使用経験者がいなかったため、命綱の必要性に気付かなかったことによるものと推定しました。

4.対策

 当該マンホールを含む縄ばしごを使用する箇所に、命綱なしでの縄ばしごの使用を禁止する旨を掲示しました。
 また、作業分担の誤認を防止するため、作業班の間で事前打ち合わせを行い、作業分担等を確認することを徹底させるとともに、関西電力の担当者は、作業責任者に作業の実施を許可する際、作業内容に加え、事前打ち合わせの内容について確認を行うこととしました。
 なお、今回、縄ばしごの使用経験がなかったために命綱の必要性に気付かなかったことを踏まえ、現在、発電所内の作業員全員を対象に実施している安全体感研修に縄ばしごの項目を追加し、縄ばしごでの昇降時の命綱の必要性を体感させます。

(3)保全品質情報等

なし

以 上

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