プレスリリース
2010
2010年3月4日
関西電力株式会社
美浜発電所 耐震安全性評価中間報告書(追補版)の一部訂正について
[添付資料]
「美浜発電所 耐震安全性評価中間報告書(追補版)の一部訂正」の概要
- 1.原因
-
機器や配管の耐震安全性評価は、基準地震動Ss(以下、Ssという)によって発生する応力(発生値)が評価基準値(材料毎に定められた許容応力)以下であることを確認するもので、一次冷却材管については、「地震以外の応力」※2と「地震による応力」の2種の値を合計することで発生値を算出しています。
美浜発電所については、旧指針※3に基づく基準地震動S2を405ガルとしていましたが、平成20年3月に新指針に基づくSs(600ガル)を策定し、平成21年3月に750ガルに見直しました。これを踏まえ、2号機は600ガルを基に算出していた旧発生値に、また3号機は405ガルを基に算出していた旧発生値に、 それぞれ応答加速度比※4を乗じて発生値を算出しました(この方法を「応答倍率法」という)が、この際、「地震による応力」に応答加速度比を乗じるべきところを、誤って「地震以外の応力」に乗じた結果、本来の発生値よりも小さい値を算出していたことがわかりました。
これは当社が評価を依頼していたメーカにおいて、「地震以外の応力」と「地震による応力」を表計算ソフトに誤って入力したために起きたもので、当社においてもこのような誤りを発見できませんでした。 - ※2 配管内の水の圧力等、地震が発生していない場合も当該配管にかかる応力のこと。
- ※3 平成18年9月19日に改訂される以前の「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」。
- ※4 応答加速度比は2号機が1.472、3号機が1.860。この比率は比較するそれぞれの地震動の大きさ、および施設の固有振動数(施設が揺れやすい振動数)などによって決まるため、単純にガル数の比率(750ガル/600ガル、750ガル/405ガル)とはならない。
- 2.再評価結果および他の機器、プラントの評価結果への影響
- 正しい数値を用いて再評価を行い、当該箇所の耐震安全性に問題がないことを確認するとともに、美浜発電所2、3号機の他の機器および他プラントの全ての機器について再チェックを行い、 同様の誤りがないことを確認しました。(別表参照)[PDF 15.6KB]
- 3.再発防止対策
- 当社およびメーカの関係者に本事象を周知するとともに、応答倍率法を用いる評価について次の対策を実施します。
<メーカ>
- ・ 表計算ソフトの数値入力フォーマットの改善
- ・ 評価チェックリストへのチェック項目の追加
- ・ 応答倍率法を用いる評価全般にかかる誤りの未然防止のための改善活動の徹底
<当 社>
- ・ 従来から実施しているメーカの耐震安全性評価実施状況の調査の中での、再発防止対策の実施状況の確認
- ・ メーカ評価結果に対するデータ特性や整合性等に着目したチェックの徹底
- ・ 誤りの未然防止のための改善活動に係るプラントメーカとの情報共有
- ・ 表計算ソフトの改善、チェックリスト類の使いやすさの向上にかかるメーカとの共同検討
以 上