プレスリリース
2010
2010年1月20日
関西電力株式会社
大飯発電所3号機の原子炉起動および調整運転の開始について
大飯発電所3号機 第14回定期検査の概要
- 1.主要工事等
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(1)原子炉容器Aループ出口管台補修溶接工事 (図−1参照) 前回の第13回定期検査(平成20年2月〜12月)で傷が認められ、研削により傷を除去した状態であった原子炉容器Aループ出口管台溶接部について、600系ニッケル基合金で研削箇所を肉盛溶接(復旧)した後、溶接部内面全周について、耐食性に優れた690系ニッケル基合金で溶接を行いました。
(2)耐震裕度向上工事 (図−2参照) 既設設備の耐震性を一層向上させるため、主蒸気系統や余熱除去系統などの配管ならびに、ポーラクレーンの支持構造物を強化しました。
(3)1次系曲げ配管取替工事 (図−3参照) 国外BWRプラントにおいて、芯金を使用して曲げ加工した配管の内面で応力腐食割れが発生した事象を踏まえ、予防保全として、1次冷却材系統につながる曲げ配管のうち、芯金を使用して曲げ加工したものを、芯金を使用せずに曲げ加工した配管に取り替えました。
(4)高サイクル熱疲労割れに係る対策工事 (図−4参照) 国内外PWRプラントにおける高サイクル熱疲労割れ事象(温度ゆらぎによる熱疲労)を踏まえ、2系列ある充てん配管のうち、使用していない系列の充てん配管、隔離弁等を撤去しました。
- 2.設備の保全対策
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(1)2次系配管の点検等 (図−5参照) 当社の定めた「2次系配管肉厚の管理指針」に基づき、2次系配管321箇所について超音波検査(肉厚測定)等を行った結果、必要最小厚さを下回る箇所および次回定期検査までに必要最小厚さを下回ると評価された箇所はありませんでした。
(超音波検査箇所318箇所、内面目視点検3箇所)
また、今定期検査開始時に計画していた93箇所に加え、減肉傾向にある部位2箇所、配管取替時の作業性を考慮した部位2箇所を追加し、合計97箇所を耐食性に優れたステンレス鋼または低合金鋼の配管に取り替えました。
- 3.蒸気発生器伝熱管の渦流探傷検査結果
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蒸気発生器4台のうち、AおよびC−蒸気発生器伝熱管全数(3,382本×2台、 計6,764本)について渦流探傷検査を実施し、異常のないことを確認しました。
- 4.燃料集合体の取替え
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燃料集合体全数193体のうち、89体(うち68体は、55,000MWd/t高燃焼度燃料の新燃料集合体)を取り替えました。
また、燃料集合体の外観検査(85体)を実施した結果、異常は認められませんでした。
- 5.次回定期検査の予定
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平成22年度冬頃
以 上