プレスリリース
2008
2008年7月31日
関西電力株式会社
大飯発電所1号機の原子炉起動および調整運転の開始について
大飯発電所1号機 第22回定期検査の概要
1. | 主要な工事等について |
(1)耐震裕度向上工事 | (図−1参照) |
既設設備の耐震性を一層向上させるため、余熱除去系統や格納容器スプレイ系統などの配管、格納容器排気系統やアニュラス※1浄化系統などのダクト、動力変圧器※2、伝送器の支持構造物を強化しました。 | |||||
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(2)2次系熱交換器取替工事 | (図−2参照) |
2次系の水質向上対策として、蒸気発生器への不純物持ち込み低減を図るため、第1および第2低圧給水加熱器の伝熱管を銅合金製からステンレス製に取り替えました。 |
(3)原子炉冷却系統設備小口径配管他取替工事 | (図−3参照) |
国外PWRプラントにおける応力腐食割れ事象を踏まえ、高温環境で溶存酸素濃度が高い可能性のある1次系統の閉塞部について、溶接部を計画的に応力集中が小さい形状に変更しており、今定期検査では化学体積制御系統の配管1箇所について溶接形状を変更しました。 |
2. | 保全対策について |
2次系配管の点検等 | (図−4参照) |
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当社の定めた「2次系配管肉厚の管理指針(平成19年3月改正)」に基づき、2次系配管1,576箇所について超音波検査(肉厚測定)等を行いました。(超音波検査 1,522箇所、内面目視点検 54箇所)
その結果、必要最小厚さを下回る箇所が1箇所確認され、次回定期検査までに必要最小厚さを下回る可能性があると評価された箇所が2箇所確認されました。当該箇所については、耐食性に優れたステンレス鋼の配管に取り替えました。 |
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今定期検査開始時には197箇所の配管取替を計画していましたが、必要最小厚さを下回っている1箇所、次回定期検査までに必要最小厚さを下回る可能性があると評価された2箇所、および配管取替の作業性を考慮し29箇所を追加して、合計229箇所の配管を取り替えました。 |
3. | 蒸気発生器伝熱管の渦流探傷検査結果 |
蒸気発生器4台のうち、AおよびC−蒸気発生器伝熱管全数(3,382本×2台、計6,764本)について、渦流探傷検査を実施し、異常のないことを確認しました。 |
4. | 燃料集合体の取替え |
燃料集合体全数193体のうち、77体(うち60体は、55,000MWd/t高燃焼度燃料の新燃料集合体。)を取り替えました。 また、燃料集合体の外観検査(45体)を実施した結果、異常は認められませんでした。 |
5. | 次回定期検査の予定 |
平成21年夏頃 |
6. | 定期検査中に発生した安全協定に基づく異常事象 |
管理区域内での作業員の体調不良 | (図−5参照) |
7月16日、1、2号機使用済燃料ピットエリア(管理区域内)にて、燃料外観検査用水中カメラの片付け作業を行っていた作業員が、水中カメラの調整用の架台の取り外し作業中、当該架台とともに落水しました。 この作業員は、負傷はなく、内部被ばくおよび外部被ばくもないことを確認しました。 その後、7月23日、落下した架台等の引き上げ作業をしていた別の作業員が、作業終了後、給水所にて休憩していたところ、19時10分頃、気分が悪くなりました。 その後、当該作業員を管理区域から退出させ、産業医による診察と点滴による治療を受けた後、町内の病院へ搬送しました。 診断の結果、熱中症の疑いがあると診断され、経過観察のため入院し、その後、26日に退院しましたが、8月1日の再診察までは自宅療養とし就労を禁ずるとの診断であったことから休業4日以上となりました。 本事象を踏まえ、作業環境に合わせた熱中症対策としてクールベストの充実、作業前および作業中のこまめな水分や塩分補給の重要性などを全協力会社に周知しました。 |
以 上