プレスリリース

2008年7月31日
関西電力株式会社

大飯発電所1号機の原子炉起動および調整運転の開始について

大飯発電所1号機 第22回定期検査中の保全品質情報等について

 大飯発電所1号機 第22回定期検査中における保全品質情報等について、以下のとおりお知らせします。


(1)保全品質情報等

発電所名  大飯発電所1号機 発 生 日 第22回定期検査中
(平成20年7月16日)
件  名 大飯発電所1,2号機キャスクピットへの協力会社社員の落水について   (添付図参照)
事象概要
および
対 策 等
 7月16日9時10分頃、キャスクピット上※1に設置された燃料外観検査装置用の仮設架台※2の取り外し作業を実施していた作業員1名が、仮設架台とともにキャスクピット内に落水しました。このため、直ちにクレーンで作業員を引き上げました。
 落水した作業員に外傷はなく、シャワーで全身を洗浄した後、退出モニタで身体汚染がないことを確認した上で管理区域から退出しました。また、ホールボディカウンタ※3による測定では、内部被ばくは認められませんでした※4。外部被ばくもありませんでした※5
 当該作業員に状況を確認したところ、仮設架台に安全帯を引っ掛けて作業していた際、仮設架台がキャスクピット内に落水し、安全帯に引っ張られてキャスクピット内に落水したとのことでした。

平成20年7月16日 お知らせ済み]

 落水した原因を調査した結果、取り外し作業に応じた具体的な危険予知、作業責任者による監視、指示などが不十分であることや、作業要領書に具体的な取り外し手順の記載がされていなかったことがわかりました。
 また、今回は、補助建屋クレーンのフックに、架台に取り付けた落下防止のロープを掛けていなかったこと、さらに、当該作業員は、安全帯を架台に掛けていたため、架台が落下した際に引きずられて落水したことがわかりました。  

 これを受けて、以下の対策を実施することとしました。


  (1) 直ちに(事象発生した当日)臨時安全衛生協議会を開催し、協力会社に対し、作業実施前の作業手順の確認、作業状況確認および安全帯の取り付けに関する基本動作の徹底を行った。
  (2) 全協力会社へ、作業実態に即した実効的な危険予知活動の実施の再徹底を行った。また、当面の期間は、当社も積極的に危険予知活動に参加し、実施状況の確認を行う。
  (3) 当該架台の取り付け方法を変更し、より安全な場所で作業が行えるようにする。また、架台が容易に落下しないように設備を改善するとともに、当該架台の取り外し手順を作業要領書へ反映する。
  (4) 類似作業に関して、作業要領書に被災防止手順を明確にする。
  (5) 当社作業担当者および作業責任者には、安全体感研修を受講させ、危険予知能力の向上を図る。また、グループリーダーには、リーダーを示すワッペンをはい用させ、リーダーとしての自覚を高めて、的確な安全管理指導を行わせる。

  ※1: 使用済み燃料搬出のためのキャスク(輸送容器)への燃料装荷や、燃料検査等で使用するエリア。深さ約15m、水深約12m。1号機、2号機の共用設備。
  ※2: 燃料外観検査用に仮設していた水中テレビカメラの駆動装置を調整するために設置していたもの。燃料外観検査が完了したため、取り外そうとしていた。
  ※3: 体内に摂取された放射性物質の量を体外から測定する装置。
  ※4: 測定の結果、体内に摂取された放射性物質による今後50年間の実効線量(減衰や体内からの排泄等を考慮して算出される線量)は0.001mSv未満であり、法令に定めのある線量限度の年間50mSvに比べて十分低い。また、被ばく線量として記録するレベルである1mSvに比べても十分低い。
  ※5: ADD(アラーム付デジタル線量計)による測定の結果、0.00mSvであった。

以 上

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