プレスリリース

2007年12月11日
関西電力株式会社

大飯発電所2号機の原子炉起動および調整運転の開始について

大飯発電所2号機 第21回定期検査の概要

1. 主要な工事等について
 (1)2次系熱交換器取替工事 (図−1参照)
   2次冷却系の水質向上対策として、蒸気発生器への不純物持ち込み低減を図るため、第1および第2低圧給水加熱器の伝熱管を銅合金製からステンレス製に取り替えました。

 (2)耐震裕度向上工事  (図−2参照)
   既設設備の耐震性を一層向上させるため、原子炉補助建屋内の換気空調設備ダクトの支持構造物15箇所を強化しました。また、格納容器スプレイ系統配管の支持構造物9箇所について、追加で強化しました。


2. 保全対策について
 (1)2次系配管の点検等 (図−3参照)
  1 美浜発電所3号機事故を踏まえ、2次系配管1,313箇所※1について超音波検査(肉厚測定)等(超音波検査1,259箇所※1、内面目視点検54箇所)を実施した結果、計算必要厚さ(15.7mm)を下回る箇所が1箇所(測定最小値:10.9mm)確認されました。このため、当該箇所を同種材(炭素鋼)の配管に取り替えました。
また、当該箇所以外で、計算必要厚さを下回る箇所および余寿命評価で次回定期検査までに計算必要厚さを下回る可能性があると評価された箇所はありませんでした。
   
※1: 今定期検査開始時には、2次系配管1,124箇所について超音波検査(肉厚測定)を実施する計画でしたが、下記の点について見直しを行い、1,259箇所について超音波検査を実施した。
指針改正により点検対象となった系統で、現場とスケルトン図との照合結果により変更
 ・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・4箇所増
・指針改正を踏まえた点検計画の前倒し ・・・・・・・・・・・・・・・・ 149箇所増
・今定期検査において追加で配管を取り替えた箇所 ・・・・・・・ ・・18箇所減
     
  2 計算必要厚さを下回る箇所が1箇所確認されたことを踏まえ、追加で177箇所の超音波検査(肉厚測定)を実施した結果、計算必要厚さを下回る箇所および余寿命評価で次回定期検査までに計算必要厚さを下回る可能性があると評価された箇所はありませんでした。
     
  3 今定期検査開始時には179箇所※2の配管取替えを計画していましたが、今後の保守作業を考慮して53箇所を追加し、合計232箇所について配管を取り替えました。
   
※2: 定期検査開始プレスにおいて配管取替え箇所に誤記がありましたので、下記のとおり訂正いたします。
  (誤)180箇所→(正)179箇所
     以上まとめると、1,490箇所の超音波検査(肉厚測定)等(超音波検査
1,436箇所、内面目視点検54箇所)を実施し、合計233箇所について配管を取り替えました。

 (2)1次系電動弁取替工事
   安全注入系統に設置された海外製の電動弁4台について、保守性向上の観点から部品調達が容易な国産弁に取り替えました。


3. 定期検査中に発生した安全協定に基づく異常事象  (図−4参照)
 (1)2次系主給水配管曲がり部の減肉について  
   今定期検査に実施した2次系配管点検において、C−主給水隔離弁下流の配管曲がり部で、計算必要厚さ(15.7mm)を下回っている箇所(測定最小値:
10.9mm)を確認しました。
 原因は、主給水隔離弁(玉型弁)下流側に生じる流れの乱れにより、流れ加速型腐食による減肉事象が発生したものと推定されました。
 対策として、当該部を同寸法、同材料の配管に取り替えました。また、点検回数が3回未満で、至近2回の定期検査で点検を実施していない主要点検部位の点検を追加で実施しました。

[平成19年11月7日22日 お知らせ済み]


4. 蒸気発生器伝熱管の渦流探傷検査(ECT)の結果
   4台ある蒸気発生器のうち、AおよびC−蒸気発生器伝熱管(計6,764本: 3,382本×2台)について、健全性を確認するため渦流探傷検査(ECT)を実施した結果、有意な信号は認められませんでした。


5. 燃料集合体の取り替え
   燃料集合体全数193体のうち68体(うち60体は新燃料集合体で55,000MWd/t高燃焼度燃料)を取り替えました。また、燃料集合体の外観検査(75体)を実施した結果、異常は認められませんでした。


6. 次回定期検査の予定
   平成20年度 冬頃

以  上

本文へ戻る

プレスリリース