プレスリリース

2007年11月21日
関西電力株式会社

高浜発電所3号機の定期検査開始について

高浜発電所3号機 第18回定期検査の概要

1.今回の定期検査を利用して実施する主要な工事
(1) 原子炉容器上部ふた取替工事
添付−1図−1参照
   大飯発電所3号機の原子炉容器上部ふた管台溶接部からの1次冷却材漏えい事象を踏まえ、長期的な健全性維持を図るため、材質を変更するなど改良を施した新しい上部ふたに取替えます。
 旧上部ふたについては、専用の容器に格納して既設のB蒸気発生器保管庫内に保管します。
 
(2) 再生熱交換器取替工事
図−2参照
   国内PWRプラントにおける高サイクル熱疲労割れ事象(温度ゆらぎによる疲労)を踏まえ、内筒を有する再生熱交換器については定期的に点検を行っていますが、今後の保守性を考慮し、再生熱交換器一式(3台)を内筒のない構造のものに取り替えます。
 旧再生熱交換器については、専用の容器に格納して既設のC廃棄物庫に保管します。
 
(3) 600系ニッケル基合金溶接部の応力腐食割れに係る
点検・予防保全工事
図−3参照
   国内外PWRプラントにおける応力腐食割れ事象を踏まえ、600系ニッケル基合金が使用されている原子炉容器の冷却材出入口管台および蒸気発生器出入口管台の溶接部について、渦流探傷試験を実施します。また、原子炉容器底部、蒸気発生器出入口管台、加圧器逃がし弁管台、同安全弁管台、同スプレイ弁管台、および同サージ管の溶接部について、外観目視点検や超音波探傷検査を実施します。
 予防保全対策として、溶接部表面の残留応力を低減させるため、原子炉容器冷却材出入口管台溶接部と炉内計装筒の内面および表面溶接部に、ウォータージェットピーニング工事*1を、蒸気発生器出入口管台の溶接部にショットピーニング工事*2を実施します。
  *1: 金属表面に高圧ジェット水を吹き付けることにより、金属表面の引っ張り残留応力を圧縮応力に変化させる。
  *2: 金属表面に金属の玉を高速度でたたきつけることにより、金属表面の引っ張り残留応力を圧縮応力に変化させる。
 
(4) 亜鉛注入装置設置工事
図−4参照
   作業員の被ばく低減を図るため、コバルト-60等の放射性物質が機器や配管内表面への付着を抑制する効果等がある亜鉛を1次冷却材中に注入する装置を化学体積制御系に設置します。
  ※: 亜鉛注入は国内プラントで実績があり、1次冷却材中に放射化しにくい亜鉛を注入することで機器や配管内表面に強固な被膜を形成させ、コバルト-60等の放射性物質が機器・配管内表面へ再付着することを抑制することで、1次冷却材系配管等の線量を低減する。
 
2.今定期検査中に実施する保全対策について
(1)高サイクル疲労割れに係る対策工事 (図−5参照)
   国内PWRプラントにおける高サイクル熱疲労割れ事象(温度ゆらぎによる疲労)を踏まえ、AおよびB余熱除去冷却器バイパスライン合流部の2箇所について、温度ゆらぎを抑制するため配管ルートを変更します。
 また、弁のシートリークによる高サイクル熱疲労割れの予防保全対策として、安全注入系補助注入系統の3箇所に弁を追設します。
 
(2)2次系配管の点検等 (図−6参照)
   美浜発電所3号機2次系配管破損事故を踏まえ、1,531箇所について超音波検査(肉厚測定)を実施します。
 また、過去の点検結果から減肉が確認された部位7箇所、保守作業を考慮して取り替える部位589箇所、合計596箇所を耐食性に優れたステンレス鋼もしくは低合金鋼の配管に取り替えます。
 
3.燃料集合体の取り替え
   燃料集合体全数157体のうち69体(うち48体は新燃料集合体)を取り替える予定です。
 
4.今後の予定
 
 原子炉起動、臨界:平成20年3月上旬
 調整運転開始:平成20年3月上旬
 本格運転再開:平成20年4月上旬

 なお、定期検査の作業工程については、別紙を参照下さい。

以  上

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