プレスリリース

2007年3月15日
関西電力株式会社

原子力発電所の運営状況について

当社の原子力発電所における運営状況について、以下のとおりお知らせします。

1.運転状況について(平成19年3月14日現在)
発電所 電気
出力
(kW)
運転状況 備  考
美 浜
発電所
1号機 34.0万 第22回 定期検査中
H18年11月1日〜未定
【お知らせ済み】
「余熱除去系統サンプリングラインの溶接事業者検査に伴う定期検査工程遅延について」
詳細は2(1)のとおり
2号機 50.0万 運転中 【新 規】
「B−非常用ディーゼル発電機過給機冷却水入口配管の予防保全取替作業に伴う待機除外について」
詳細は3(2)のとおり
3号機 82.6万 運転中
高 浜
発電所
1号機 82.6万 第24回 定期検査中
H18年11月22日〜H19年3月下旬までの予定
    (H19年2月26日から調整運転中)
2号機 82.6万 運転中  
3号機 87.0万 運転中 【新 規】
「第6A高圧給水加熱器抽気圧力計元弁からの蒸気漏れについて」
詳細は3(1)のとおり
4号機 87.0万 運転中
大 飯
発電所
1号機 117.5万 第21回 定期検査中
H18年12月22日〜H19年5月中旬までの予定
2号機 117.5万 運転中 【新 規】
「第6B高圧給水加熱器非常用水位制御弁の点検について」
詳細は2(2)のとおり
3号機 118.0万 運転中
4号機 118.0万 運転中


2.保全品質情報について
※:

保全品質情報
 実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則および電気関係報告規則に基づく報告事象や安全協定の異常時報告事象に該当する事象を含め、保安活動向上の観点から、産官学において情報共有することが有益である事象



(1)法令に基づく報告事象や安全協定の異常時報告対象のうち重要な事象
発電所名  美浜発電所1号機 発 生 日 第22回定期検査中(2月16日)
件  名 余熱除去系統サンプリングラインの溶接事業者検査に伴う定期検査工程遅延について  (添付図1参照)
事象概要
および
対 策 等
 第22回定期検査中、2月16日に今回の定期検査で実施した余熱除去系統※1サンプリングライン※2(以下「当該ライン」)の溶接形状変更工事において、溶接事業者検査※3(以下「検査」)を実施していない箇所が2箇所あることが判明しました。

 検査が未実施であった箇所は、他の箇所の溶接形状変更工事に合わせて取替えを行ったものであり、取り付けの際には検査が必要な箇所でした。

 当該ラインについては、検査に必要な手続きを行ったうえで、当該部の再溶接を行い、検査を行うこととします。

 当該部の作業にあたっては、原子炉容器から燃料を取り出した上で、余熱除去系統の隔離・水抜きを行う必要があることから、原子炉起動時期が2月下旬から遅れることになります。


  ※1:   余熱除去系統
原子炉を停止した後の炉内の燃料の余熱を除去する系統であり、事故時に原子炉を冷却する機能も有している系統。
  ※2:   サンプリングライン
配管内流体を分析するために試料採取装置へ導くための系統。
  ※3:   溶接事業者検査
電気事業法第52条に基づいて、溶接部の健全性を確認するために、事業者が溶接検査を実施するとともに、独立行政法人原子力安全基盤機構に溶接安全管理審査を申請し審査を受ける。

[平成19年2月16日 お知らせ済み]




(2)(1)に至らない軽微な事象
発電所名  大飯発電所2号機 発 生 日 2月25日
件  名 第6B高圧給水加熱器 非常用水位制御弁の点検について  (添付図2参照)
事象概要
および
対 策 等
 定格熱出力運転中、2月25日の運転員による巡回点検において、第6B高圧給水加熱器※1非常用水位制御弁※2がわずかに開いている(約2%)ことを確認しましまた。当該弁の状況を確認した結果、弁棒が回転しないことから、弁内部が固着している可能性があることが推定されました。
 このため、当該弁を隔離し、分解点検を実施した結果、弁のシート部(弁の内部にあり、流体を止める部分)に異物(金属屑)が噛みこんでいることを確認しました。
 異物の噛みこみにより、シート部に局所的なへこみや、わずかな傷が認められたことから、現在定期検査中の大飯1号機で手入れを終えていた同型弁のシートリング、弁体および弁棒に取り替え、3月5日に系統を復旧しました。
 なお、当該弁の分解点検中、第6B高圧給水加熱器を含めて隔離したことから、電気出力が約1%低下しました。


  ※1:   第6B高圧給水加熱器
タービンから一部の蒸気を抽出し、2次系給水系統を加熱する機器。大飯2号機の第6高圧給水加熱器は、3系統(A〜C)あり、第6B高圧給水加熱器はそのうちの1系統である。
  ※2:   非常用水位制御弁
高圧給水加熱器の細管漏えい発生時および常用水位制御弁不具合時に高圧給水加熱器の水位調整用に設置されたものである。




3.その他情報
(1)不具合情報
発電所名  高浜発電所3号機 発 生 日 3月5日
件  名 第6A高圧給水加熱器 抽気圧力計元弁からの蒸気漏れについて (添付図3参照)
事象概要
および
対 策 等
 定格熱出力運転中、3月5日の運転員による巡回点検において、第6A高圧給水加熱器※1の上部からわずかに蒸気が漏れていることが確認されました。漏れ箇所を調査したところ、同給水加熱器 抽気圧力計※2元弁のグランド部※3であったため、グランド部の締め付けを行うとともに、当該弁を閉止し蒸気漏れを停止させました。
 当該系統の圧力は、他の計器にて監視が可能であり、当該弁閉止によるプラント運転への影響はありません。


  ※1:   第6A高圧給水加熱器
タービンから一部の蒸気を抽出し、2次系給水系統を加熱する機器。高浜3号機の第6高圧給水加熱器は、2系統(A,B)あり、第6A高圧給水加熱器はそのうちの1系統である。
  ※2:   抽気圧力計
タービンから高圧給水加熱器に送られる蒸気の圧力を現地で確認する圧力計である。
  ※2:   グランド部
弁棒と弁箱とのすき間をパッキンにより封水している部分である。




(2)その他情報(工学的安全施設の予防保全作業)
 工学的安全施設※1を、保安規定に基づく予防保全を目的とした点検・保修作業※2のために、一時的に待機除外※3とした場合は、工学的安全施設の予防保全作業としてお知らせする事象。

  ※1:   工学的安全施設
安全協定に規定されている、原子力発電所の事故時に放射性物質が放散する可能性がある場合にこれらを抑制または防止するための施設。非常用炉心冷却系統などがある。
  ※2:   保安規定に基づく予防保全を目的とした点検・保修作業
故障、損傷等のない設備の機能確認試験や消耗品の交換、清掃、手入れ等の点検・保修作業。
  ※3:   待機除外
通常、いつでも起動できる状態(待機状態)にある機器を、点検・保修のために隔離し、起動できない状態とすること。


発電所名  美浜発電所2号機 発 生 日 2月28日
件  名 B−非常用ディーゼル発電機過給機冷却水入口配管の予防保全取替作業に伴う待機除外について (添付図4参照)
事象概要
および
対 策 等
 定格熱出力運転中、1月12日の運転員による巡回点検において、B−非常用ディーゼル発電機※1の過給機※2冷却水入口配管にわずかな水のにじみが認められたことから、接着材による補修を実施しました。
 その後、予防保全として2月28日に、当該発電機を待機除外とし当該配管を取り替え、同日に待機状態に復旧しました。


  ※1:   非常用ディーゼル発電機
外部電源喪失事故時等に安全を確保するために設けられた機器に電源を供給するディーゼル発電機。
保安規定において、プラント運転中は、2台(A,B)ある非常用ディーゼル発電機が2台とも動作可能であることが求められている。
  ※2:   過給機
過給機は、ディーゼル発電機の排気でタービンを回し、ディーゼル発電機(エンジンのシリンダー)内に空気を送り込む機器である。



  保全品質情報については、下記の公開サイトにおいても、準備が整い次第掲載していきます。
  当社ホームページ(http://www.kepco.co.jp/knic/meeting/index.html)“原子力情報センター(保全品質情報)”
  日本原子力技術協会ホームページ(http://www.nucia.jp)“原子力施設情報公開ライブラリー「ニューシア」”

以 上

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