プレスリリース
2006
2006年11月13日
関西電力株式会社
高浜発電所3号機の原子炉起動および調整運転の開始について
1. | 今回の定期検査を利用して実施した主要な工事 |
(1)原子炉容器供用期間中検査 | (図−1参照) |
原子炉容器の供用期間中検査として、原子炉容器溶接部等の超音波探傷検査を行い、異常がないことを確認しました。 |
(2)2次系熱交換器他取替工事 | (図−2参照) |
2次系給水系統の水質向上対策として、低圧給水加熱器などの伝熱管を、銅合金から耐食性に優れたステンレスに取り替えました。これにより蒸気発生器への不純物の持ち込み低減を図ります。 |
2. | 今定期検査中に実施した保全対策について |
(1)原子炉容器管台溶接部等の応力腐食割れに係る点検 | (図−3参照) |
国内外PWRプラントにおいて、600系ニッケル基合金を用いた原子炉容器上部ふた管台や1次冷却材系統の溶接部で応力腐食割れが発生した事例に鑑み、以下の点検を行いました。 |
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原子炉容器上部ふた管台の点検 原子炉容器上部ふた管台全数(66本)について、上部ふた表面の外観目視点検を実施し、異常がないことを確認しました。 |
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1次冷却材系統管台溶接部等の点検 溶接箇所に600系ニッケル基合金が使用されている原子炉容器冷却材出入口管台、蒸気発生器出入口管台について、超音波探傷検査を実施し、異常がないことを確認しました。 |
(2)2次系配管の点検等 | (図−4参照) |
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美浜発電所3号機2次系配管破損事故を踏まえ、1,615箇所について超音波検査(肉厚測定)等を実施しました。 (超音波検査1,597箇所※1、内面目視点検のみ8箇所※2、内面目視点検および超音波検査10箇所※2:今回で未点検箇所の点検を終了) その結果、計算必要厚さを下回っている箇所、ならびに次回定期検査までに計算必要厚さを下回る可能性があると評価された部位はありませんでした。 |
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過去の点検結果から減肉が確認された部位17箇所、保守性・作業性を考慮して取り替える部位465箇所、合計482箇所※3についてステンレス鋼、低合金鋼、もしくは同種材料(炭素鋼)※4の配管に取替えました。
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3. 出力降下中に発生した異常事象 | (図−5参照) |
(「B−SG水位異常低」警報発信による原子炉自動停止) 今定期検査のため出力降下中の平成18年8月18日、電気出力約11%にてB系統の給水制御を主給水流量制御弁から主給水バイパス流量制御弁へ自動で切替操作を行っていたところ、主給水バイパス流量制御弁が開かなかったため、蒸気発生器の水位が低下し、原子炉が自動停止しました。 原因は、当該弁の開閉信号(空気圧)を出力する弁(パイロット弁)の弁棒に付着した硫酸アンモニウムが弁棒の動作を阻害し、開信号が出力されなかったためと推定されました。硫酸アンモニウムは近くの復水処理装置再生排水処理設備で発生し、夏期に当該弁が設置されている主給水配管室の外気取り入れ口を開放した際に、室内に流入したものと考えられました。 対策として、パイロット弁を新品に取り替えるとともに、硫酸アンモニウムの流入を防ぐため、主給水配管室の外気取り入れ口は閉止することとしました。 |
4. | 蒸気発生器伝熱管の渦流探傷検査(ECT)の結果 |
3台ある蒸気発生器の伝熱管全数(既施栓管を除く9,786本)について、渦流探傷検査(ECT)を実施し、異常がないことを確認しました。 |
5. | 燃料集合体の取り替え |
燃料集合体全数157体のうち69体(うち60体は新燃料集合体)を取り替えました。 また、燃料集合体の外観検査(10体)を実施した結果、異常は認められませんでした。 |
6. | 次回定期検査の予定 |
平成19年 冬頃 |
以 上
・ | 別紙 |
・ | 図−1 |
・ | 図−2 |
・ | 図−3 |
・ | 図−4 |
・ | 図−5 |
・ | 高浜発電所3号機 第17回定期検査中の保全品質情報等について |