プレスリリース

2006年3月8日
関西電力株式会社

大飯発電所4号機の原子炉起動および調整運転の開始について

1. 主要な工事等について
 ・原子炉容器供用期間中検査 (図−1参照)
   原子炉容器の供用期間中検査(10年毎に計画的に実施)として、原子炉容器溶接部等の超音波探傷検査を行い、異常がないことを確認しました。

2. 保全対策について
 (1)原子炉容器管台溶接部等の応力腐食割れに係る点検   (図−2参照)
   国内外PWRプラントにおいて、600系ニッケル基合金を用いた原子炉容器上部ふた管台や1次冷却材系統の溶接部で応力腐食割れが発生した事例に鑑み、溶接箇所に600系ニッケル基合金が使用されている原子炉容器上部ふた管台全数(70本)、原子炉容器冷却材出入口管台、加圧器のスプレ管台およびサージ管台、ならびに蒸気発生器出入口管台について、外観目視点検や超音波探傷検査を実施し、異常がないことを確認しました。

 (2)高サイクル熱疲労割れに係る点検 (図−3参照)
   国内PWRプラントにおいて、再生熱交換器の胴側出口配管部で、高温水と低温水の混合により発生する温度ゆらぎを主な要因とする高サイクル熱疲労割れが発生した事例に鑑み、同様の熱疲労割れが発生する可能性のある余熱除去クーラ出口バイパスライン接続部について、超音波探傷検査を実施し、異常がないことを確認しました。

 (3)2次系配管の点検等 (図−4参照)
  美浜発電所3号機事故を踏まえ、895箇所について超音波検査(肉厚測定)等を実施しました。(超音波検査848箇所、目視点検47箇所)
その結果、計算必要厚さを下回っている箇所、ならびに次回定期検査までに計算必要厚さを下回る可能性があると評価された部位はありませんでした。
  過去の点検結果から減肉傾向の見られる部位等389箇所について、当初の計画どおり配管を取り替えました。
   
炭素鋼材から耐食性に優れたステンレス鋼または低合金鋼の配管に取り替えを行った箇所は377箇所、熱膨張の影響を考慮して炭素鋼材で取り替えを行った箇所は12箇所。

 (4)中央制御室への蒸気流入に係る点検  (図−5参照)
   美浜発電所3号機事故において、中央制御室につながるケーブルトレイおよび電線管の壁貫通部等のシール施工が不適切であったため、中央制御室への蒸気浸入が認められたことを踏まえ、中央制御室貫通部等204箇所のシール施工状況を点検し、不適切な箇所104箇所を含む131箇所について補修を実施しました。

3. 蒸気発生器伝熱管の渦流探傷検査(ECT)の結果
   4台ある蒸気発生器のうち、BおよびD−蒸気発生器伝熱管(計6,764本: 3,382本×2台)について、健全性を確認するため、渦流探傷検査(ECT)を実施し、異常がないことを確認しました。

4. 燃料集合体の検査結果
   燃料集合体の外観検査(89体)を実施した結果、異常は認められませんでした。
 また、燃料集合体全数193体のうち89体(うち60体は新燃料集合体)を取り替えました。
 なお、今回取り替えた新燃料集合体60体は、集合体最高燃焼度 55,000MWd/tの高燃焼度燃料です。

5. 次回定期検査の予定
   平成19年春頃

以 上
プレスリリース