プレスリリース

2005年11月11日
関西電力株式会社

高浜発電所4号機の定期検査開始について

1.今回の定期検査を利用して実施する主要な工事
 2次系熱交換器他取替工事 (図−1参照)
   2次系給水系統の水質向上対策として、低圧給水加熱器などの伝熱管を、銅合金から耐食性に優れたステンレスに取り替えます。これにより蒸気発生器への不純物の持ち込み低減を図ります。


2.今定期検査中に実施する保全対策について
 (1)原子炉容器管台溶接部等の応力腐食割れに係る点検 (図−2参照)
   国内外PWRプラントにおいて、600系ニッケル基合金を用いた原子炉容器上部ふた管台や1次冷却材系統の溶接部で応力腐食割れが発生した事例に鑑み、以下の点検等を行います。

  1 原子炉容器上部ふた管台の点検等
     原子炉容器上部ふた管台全数(66本)について、上部ふた表面の外観目視点検を実施します。

  1 1次冷却材系統管台溶接部等の点検
     溶接箇所に600系ニッケル基合金が使用されている原子炉容器冷却材入口管台、加圧器スプレ管台、蒸気発生器出口管台等について、外観目視点検や超音波探傷検査を実施します。

 (2)高サイクル熱疲労割れに係る点検 (図−3参照)
   国内PWRプラントにおいて、再生熱交換器の胴側出口配管部で、高温水と低温水の混合により発生する温度ゆらぎを主な要因とする高サイクル熱疲労割れが発生した事例に鑑み、同様の熱疲労割れが発生する可能性のある余熱除去クーラ出口バイパスライン接続部について、超音波探傷検査を実施します。

 (3)2次系配管の点検等 (図−4参照)
   美浜発電所3号機2次系配管破損事故を踏まえ、1,231箇所について超音波検査(肉厚測定)を実施します。
 また、過去の点検結果から減肉傾向の見られる部位等125箇所について、計画的に炭素鋼から耐食性の優れたステンレス鋼、または低合金鋼の配管に取り替えます。

 (4)中央制御室への蒸気流入に係る点検 (図−5参照)
   美浜発電所3号機2次系配管破損事故において、中央制御室につながるケーブルトレイ及び電線管の壁貫通部等のシール施工が不適切であったため、中央制御室への蒸気浸入が認められたことを踏まえて、中央制御室貫通部等のシール施工状況を点検し、不適切な箇所については補修を行います。


3.蒸気発生器伝熱管の渦流探傷検査(ECT) (参考図参照)
   3台ある蒸気発生器の伝熱管全数(既施栓管を除く9,758本)について、健全性を確認するため渦流探傷検査(ECT)を実施します。有意な信号が認められた伝熱管については、伝熱管補修工事により施栓します。
 なお、高浜発電所4号機については、前回(第15回)定期検査から、検出性を向上させたマルチコイル型(インテリジェント)ECT検査装置を導入しております。


4.燃料集合体の取り替え
   燃料集合体全数157体のうち61体(うち52体は新燃料集合体)を取り替える予定です。


5.今後の予定
 
原子炉起動、臨界 平成18年2月中旬
調整運転開始 平成18年2月中旬
本格運転再開 平成18年3月中旬

以 上

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