プレスリリース

2005年9月26日
関西電力株式会社

高浜発電所1号機の原子炉起動および調整運転の開始について

 高浜発電所1号機 第23回定期検査中における保全品質情報のうち、「法令に基づく報告事象や安全協定の異常時報告対象のうち重要な事象」に至らない軽微事象について、以下のとおりお知らせします。

件  名 タービンバイパス弁構成部品等の脱落について(シールドプレート取付ボルト)(保全品質情報図-1参照) 発 生 日 第23回定期検査中
(9月2日)
事象概要
および
対 策 等
 8月23日、B-タービンバイパス弁※1の分解点検を工場にて実施していたところ、弁体シールドプレート※2取付ボルト(以下「取付ボルト」)8本のうちの1本が無いことが判明したため、調査を行った結果、9月2日、B-タービンバイパス弁下流の#3復水器タービンバイパス蒸気管(以下「蒸気管」)内において、当該取付ボルトを発見し、翌9月3日に回収しました。
 なお、取付ボルトは蒸気管内に留まっていたことから、下流側の復水器への影響はありません。
 原因を調査した結果、当該弁は原子炉起動時や停止時に開操作し、その際、シールドプレートや取付ボルトには、蒸気の高速の流れによる流体力が作用しますが、ボルトに作用する軸力が少なかった場合、その流体力により、廻り止め溶接が破損すると共に取付ボルトが緩み、抜け出して脱落したものと推定されました。また、当該ボルト1本が脱落した原因としては当該ボルトを工場で組み立てた際に、締め付け(軸力)が十分でなかった可能性があると推定されました。
 再発防止対策として、以下の対策を実施します。
当該弁については、シールドプレート及び取付ボルトを取り替える。
他のタービンバイパス弁(計7台)についても、念のためシールドプレート及び取付ボルトを取り替える。取付ボルト取り替えにあたっては、取付ボルトの締付トルク管理を強化する。
通常使用するタービンバイパス弁(2台)について、毎定期検査でボルトの軸力を確認する。
今後、当該弁については流動状態が激しい状況下で使用するため、取付ボルトが脱落することがないよう、取付ボルトを用いていないシールドプレートの採用について検討する。
本事象による周辺環境への放射能の影響はありません。
※1: タービンバイパス弁
蒸気発生器からの蒸気を、タービンをバイパスして直接復水器に導くためのライン(配管)に設置している弁。タービンバイパスラインは、主に起動・停止時に使用し、通常運転時は基本的に使用していない。
※2: シールドプレート
弁が開き始めた時、流量を制限するために取り付けられている板状の部品。

平成17年9月22日お知らせ済み〕

件  名 タービンバイパス弁構成部品等の脱落について(タービンバイパス蒸気管受衝板)(保全品質情報図-2参照) 発 生 日 第23回定期検査中
(9月2日)
事象概要
および
対 策 等

 9月2日、B-タービンバイパス弁の弁体シールドプレート取付ボルト(以下「取付ボルト」)8本中、脱落した1本の調査において、B-タービンバイパス弁下流の#3復水器タービンバイパス蒸気管(以下「蒸気管」)内で、当該取付ボルトを発見しましたが、この際、当該取付ボルトを発見した場所で、蒸気管(炭素鋼製)の減肉を防止するために、蒸気管内に取り付けられている受衝板(ステンレス鋼製)2枚が脱落していることを確認し、翌9月3日に回収しました。
 このため、#1,2復水器蒸気管内についても点検したところ、#1復水器蒸気管内において、受衝板1枚が脱落しているのを確認し、回収しました。
 なお、受衝板は蒸気管内に留まっていたことから、下流側の復水器への影響はありません。
 原因を調査した結果、破面観察において受衝板取付溶接部に疲労割れの特徴を示すビーチマーク状模様が確認されたことから、タービンバイパス弁動作時の蒸気による変動応力により、受衝板取付溶接部に割れが発生し、受衝板が脱落したものと推定されました。
 対策として、当該部を流れるのは乾き蒸気で、当該配管に減肉傾向は認められないことから、今定期検査で当該受衝板を撤去することとしました。    
 本事象による周辺環境への放射能の影響はありません。

平成17年9月22日お知らせ済み〕

以 上
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