プレスリリース

2005年4月22日
関西電力株式会社

美浜発電所1号機の定期検査開始について

1.主要な工事等について
 (1)高圧給水加熱器取替工事 (図-1参照)
   高圧給水加熱器伝熱管において、製造時の初期傷等による応力腐食割れが発生した事例に鑑み、同様の応力腐食割れが発生する可能性のある高圧給水加熱器について、銅合金から耐食性の優れたステンレスの伝熱管を採用した高圧給水加熱器に取り替えます。

 (2)格納容器送気ラインベローズ取替工事 (図-2参照)
   前回定期検査において、格納容器送気ライン*1のベローズ(伸縮継手)でわずかな漏えいが確認され、接着剤による補修を行っていますが、今後の保全に万全を期す観点から、当該ベローズおよび前後の配管を同仕様(ステンレス)のものに取り替えます。
*1: 格納容器送気ライン
定期検査時などのプラント停止に、外気(空気)を格納容器内へ送る配管

2.保全対策について
 (1)原子炉容器管台溶接部等の応力腐食割れに係る点検 (図-3参照)
   国内外PWRプラントにおいて、600系ニッケル基合金を用いた原子炉容器上部ふた管台や1次冷却材系統の溶接部で応力腐食割れが発生した事例に鑑み、溶接箇所に600系ニッケル基合金が使用されている原子炉容器冷却材入口および出口管台について、外観目視点検や超音波探傷検査を実施します。

 (2)高サイクル熱疲労割れに係る点検 (図-4参照)
   国内PWRプラントにおいて、再生熱交換器の胴側出口配管部で、高温水と低温水の混合により高サイクル熱疲労割れが発生した事例に鑑み、同様の熱疲労割れが発生する可能性のある余熱除去クーラバイパスライン接続部について、超音波探傷検査を実施します。

 (3)2次系配管の肉厚検査等 (図-5参照)
   美浜発電所3号機において2次系配管が減肉し破損した事故に鑑み、2次系配管の 1,629箇所について超音波検査(肉厚測定)を実施します。
 また、過去の点検結果から減肉傾向の見られる部位等について、計画的に、既設と同種材料(炭素鋼)または、耐食性に優れたステンレス鋼、低合金鋼の配管に取り替えます。

 (4)中央制御室への蒸気流入に係る点検 (図-6参照)
   美浜発電所3号機2次系配管破損事故において、中央制御室につながるケーブルトレイ及び電線管の壁貫通部等のシール施工が不適切であったため、中央制御室への蒸気浸入が認められたことを踏まえて、中央制御室貫通部等のシール施工状況を点検し、不適切な箇所については補修を行います。

3.燃料集合体の取替え
   燃料集合体全数121体のうち29体(うち28体は新燃料集合体)を取り替える予定です。

4.今後の予定
 
原子炉起動、臨界 平成17年8月上旬
調整運転開始 平成17年8月上旬
本格運転再開 平成17年9月上旬

以 上

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