プレスリリース

2004年7月15日
関西電力株式会社

光電波融合技術用低コスト光デバイスを開発

 当社はこの度、携帯電話やPHS、または、無線LAN等で使用されている無線アクセスシステムに用いる、光電波融合技術用の光デバイスを開発しました。

 今回開発した光デバイスは、これまで別々に設置していた光-電気変換素子・電気- 光変換素子をひとつのモジュールの中に一体化したものです。これにより、従来の光電波融合技術では、信号の送受信で合計2本の光ファイバが必要であったものを1本の光ファイバでシステムが構築できるようになるため、光電波融合技術による無線システムの低コスト化を図ることが可能となります。

 なお、開発した光デバイスを用いて、5GHz帯、2.4GHz帯の光電波融合無線アクセスシステムを試作開発し、伝送試験の結果、信号の劣化がないことを確認しています。

 現在の無線アクセスシステムは、基地局から電波を出す子局までを光ファイバを通じてデジタル信号で伝送し、子局にある無線機でアナログ信号に変換する方式をとっていますが、光電波融合技術は、基地局側に無線機を配置し、この基地局側に設置した無線機でデジタルからアナログに変換した信号をアナログのまま子局に伝送する技術です。

 この技術を用いて無線システムを構築すると、無線機が基地局に集中配置されることにより、無線機のメンテナンスや取替などの工事量が抑制され、従来と同じ無線機数で無線サービスの提供エリアを拡大することが出来るなど、柔軟性と将来性に富んだ無線システムを構築することが可能となります。

 光電波融合技術を用いた無線アクセスシステムは、アナログ信号のまま、長距離伝送しても信号劣化が生じない電気-光変換素子が高価であることなどから、この技術の活用は、実験レベルにとどまっているのが現状であります。

 しかしながら、この度開発した光デバイスにより、光電波融合技術による無線アクセスシステムの低コスト化が図れるため、引き続き技術改良を加え更なる低コスト化を実現し、光電波融合技術による無線アクセスシステムを実用化させたいと考えています。

以 上

※ この度開発した光デバイスについては、平成16年7月から沖電気工業株式会社を通じて販売を開始します。

<参考資料>


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