プレスリリース

2003年12月18日

高浜発電所1号機および2号機の定期安全レビュー報告書のとりまとめならびに高経年化対策に関する報告書の提出について

 高浜発電所1号機の運転経験について、品質保証活動、運転管理、保守管理、燃料管理、放射線管理および環境放射線モニタリング、放射性廃棄物管理、事故・故障等発生時の対応および緊急時の措置、事故・故障等の経験反映状況の各分野ごとに、前回評価以降(平成8年4月から平成15年3月末)の各種データトレンド、設備や管理の改善状況等を整理し、当該号機の安全性等を維持向上させる諸活動の実施状況および今後取り組むべき点について評価しました。



<品質保証活動>
 品質保証計画の策定、教育・訓練の実施、不適合管理、文書管理、監査の実施およびフォロー等の品質保証活動が適切に実施され、また、運転経験などを踏まえ、適切に改善が行われてきています。

<運転管理>
 運転体制、運転業務と運転マニュアルおよび教育・訓練について調査を行い、国内外で発生した事故・故障等の教訓を反映した運転マニュアルの改善をはじめとして適宜広範な改善が実施され、運転管理の充実が図られてきています。  

<保守管理>
 これまでの定期検査の結果、設備の改善・取替状況および保守管理体制等について調査を行い、定期点検・検査の結果を反映した点検計画に基づき適切に予防保全対策等が実施されているとともに、計画的改造・取替による設備の信頼性の維持向上が図られてきています。  

<燃料管理>
 燃料の運用管理および信頼性向上への取組状況について調査を行い、燃料・炉心に係る運転上の制限の遵守、燃料設計の改良等が適切に行われてきています。

<放射線管理および環境放射線モニタリング>
 線量管理状況の調査を行い、放射線業務従事者の線量は、作業の自動化等の低減対策を実施し、年々減少してきています。また、発電所周辺の環境試料中の放射能の分析を定期的に実施し、当該発電所の運転が環境安全上問題のないことを確認しています。

<放射性廃棄物管理>
 放射性廃棄物の処理状況の調査を行い、放射性気体廃棄物の放出量は燃料の改善による漏えい燃料減少等により、液体廃棄物の放出量は洗たく排水処理装置の設置等により、最近では放出管理目標値に対し、十分低いレベルとなっています。また、放射性固体廃棄物の発生量は、適宜低減対策を実施してきたことにより発生量の低減が図られてきています。

<事故・故障等発生時の対応および緊急時の措置>
 事故・故障等が発生した場合の対応体制の確立や通報連絡、拡大防止対策、原因究明、再発防止対策の実施に係る対応体制、また傷病者等発生時の対応処置が整備されています。
 また、平成11年9月に発生した株式会社ジェー・シー・オー東海村ウラン加工施設における臨界事故の反映としての「原子力災害対策特別措置法」の制定を受け、原子力事業者防災業務計画を策定し、それに基づき原子力災害予防対策、緊急事態応急対策等、原子力災害事後対策、福井県内外の他原子力事業所への協力および原子力防災に係る平常時の広報等について、原子力防災対策の更なる充実を図っております。
 さらに、これら緊急時に対する措置の実効性を確認するため、定期的に原子力防災訓練等を実施しております。

<事故・故障等の経験反映状況>
 国内外の事故・故障等の種々の情報を収集、評価・検討し、設備面の改善や運転マニュアルあるいは教育・訓練等の管理面の改善に反映される仕組みが確立されており、また、当該号機の事故・故障等の経験が適切に反映されてきています(当該号機以外の事故・故障等の経験の反映状況については「最新の技術的知見の反映」に記載)。
 以上のとおり、当該号機は、運転経験から得られた教訓を、管理や設備の改善・取替に適切に反映していることを確認しました。今後とも、運転経験から得られた教訓を活かし、当該号機の管理・設備の改善を図っていきます。
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