プレスリリース

2002年3月8日

定格熱出力一定運転実施に伴う発電設備健全性評価書の確認結果の通知について


1.タービン・ミサイル評価
 今回の評価結果から、定格熱出力一定運転を行った場合の最大出力状態を上回る条件(電気出力1,235.0MW、定格蒸気流量の103.7%の蒸気流量)で、非常調速装置*が作動した場合であっても、蒸気タービンの回転速度は定格回転速度の116.3%まで上昇するものの既存の評価条件である118%に至ることはないことから、従前の評価を変更する必要がないことを確認した。

2.蒸気タービン設備の健全性評価
 蒸気タービンの強度評価
 定格熱出力一定運転を行った場合の最大出力状態を上回る条件(電気出力1,235.0MW、定格蒸気流量の103.7%の蒸気流量等)で、蒸気タービンを構成する機器の強度について評価した結果、強度上問題のないことを確認した。
 蒸気タービンの調速装置
 定格熱出力一定運転を行った場合の最大出力状態を上回る条件(電気出力1,235.0MW、定格蒸気流量の103.7%の蒸気流量)で負荷遮断した場合、蒸気タービンの回転速度は定格回転速度の105.7%まで上昇するものの、非常調速装置が作動する回転速度(定格回転速度の111%)未満であることから、調速装置としての必要な能力があることを確認した。

3.電気設備の健全性評価
 発電機及び変圧器の構成部品各部の温度上昇制限値から定められる運転制限曲線を満たすように運転することで、発電機及び変圧器の健全性が保たれ、この運転制限曲線によって導かれる本設備の電気出力の上限値は、1,295.4MWであることを確認した。

4.まとめ
 以上の結果から、電気設備の運転制限曲線の範囲内で、健全性を確認した出力のうち最も小さい出力である電気出力1,235.0MW(定格電気出力の104.7%)を上限として、定格熱出力一定運転を実施することで発電設備の健全性に問題のないことを確認した。

 *タービン・ミサイルとは:
回転する蒸気タービンが破損し、蒸気タービン車室(タービンを覆うカバー)を破ってミサイルのように飛び出す現象

 *非常調速装置とは:
運転中に生じた異常により蒸気タービンに過速度が発生した場合に、蒸気タービンに流入する蒸気を速やかに遮断する装置

以 上

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