プレスリリース
2001
2001年2月26日
高浜発電所2号機の原子炉起動および調整運転の開始について
これまで原子力発電所の設計で考慮していた事故の範囲を大きく超え、炉心の損傷に至るような過酷事故(シビアアクシデント)に対し、現在の原子力発電所における設備の能力をフルに活用することで、シビアアクシデントの発生防止や仮に発生したとしてもその影響を緩和する方法をアクシデントマネジメントといい、具体的には以下のことを実施します。 |

止める |
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- ●緊急2次系冷却の多様化
- 原子炉を停止した後、停止状態を安定に維持するため、原子炉の熱を蒸気発生器を通して二次系により除去する必要があるり、補助給水系を起動させます。
二次系による冷却の信頼性を増すために、補助給水系に加えて、事故時に自動停止されていた主給水系を手動で再起動させて、緊急2次系冷却び多様化を図ります。
運転手順書への反映済
閉じ込める |
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- ●格納容器内自然対流冷却
- 格納容器内の圧力が上昇して破損することを防止するため、非常用格納容器冷却系の機能喪失時、原子炉補機冷却水を空調器へ通水するとともに、常用格納容器空調系のダクトに解放機構を設け、自然対流による格納容器内の除熱を行い、高温蒸気を冷やし減圧します。
- ●格納容器内注水
- 格納容器内の圧力が上昇して破損することを防止するため、非常用格納容器冷却系の機能喪失時、原水タンクの水を格納容器スプレイから格納容器内に注水できるように配管を設け、除熱を行います。
冷やす |
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- ●タービンバイパス系の活用
- 主蒸気逃し弁を開け蒸気発生器2次側の蒸気を逃して、蒸気の蒸発熱により原子炉を除熱しますが、主蒸気逃し弁が故障した場合、蒸気をタービンバイパス系により復水器に導き海水系へ熱を逃します。
- ●代替再循環による注水継続
- ECCSは事故時に外部のほう酸水を蓄えたタンクから注水し、タンクの水がなくなると再循環サンプに溜まった水(配管破断時などに流出した一次冷却材およびECCSにより注水され破断箇所から流出したECCS水)をECCSより循環させて炉心を冷却します。その循環する運転への切替えができなかった場合に備えて、新たに余熱除去ポンプと格納容器スプレイポンプ間に連絡配管を設け炉心への注水を持続します。
電源の融通(支援機能) |
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- ●号機間電源融通
- 当該ユニットの電源が供給されない場合の対応として、隣接ユニットの非常用ディーゼル発電機から交流電源を融通して、当該ユニットの安全系機器へ電源を供給します。
運転手順書への反映予定