プレスリリース

2001年2月26日

高浜発電所2号機の原子炉起動および調整運転の開始について

1.今回の定期検査を利用して実施した主な工事等
 (1)1次冷却材ポンプ供用期間中検査   (図-1参照
 1次冷却材ポンプの供用期間中検査として、3台ある1次冷却材ポンプのうち、A及びC-1次冷却材ポンプについて、主フランジボルト、並びに同締め付け部等耐圧部の健全性を確認するとともに、分解検査としてインペラ等の内部部品について点検しました。
 (2)余熱除去系、格納容器スプレイ系配管接続工事   (図-2参照
 アクシデントマネジメント対策(*1)として、炉心損傷を防止するため非常用炉心冷却系(ECCS)の再循環注入モード(*2)による長期的な炉心冷却方式の多様化を想定し、格納容器スプレイポンプを用いた再循環も可能となるよう、余熱除去(低圧注入)ポンプ出口配管と格納容器スプレイポンプ出口配管を接続しました。
  *1:アクシデントマネジメント対策
設計で考慮していた事故の範囲を大きく超え、炉心の損傷に至るような過酷事故(シビアアクシデント) に備え、現状の設備を有効に活用して、その発生防止や発生後の影響を緩和することを考慮した対策。
  *2:非常用炉心冷却系の再循環注入モード
1次冷却材喪失事故時、非常用炉心冷却系により燃料取替用水タンクのほう酸水を原子炉内に注入する が、燃料取替用水タンク水位が低下した際には、格納容器再循環サンプに溜まった冷却水を余熱除去ポ ンプ等により原子炉に再注入すること。
(3)原子炉冷却系統設備小口径配管他取替工事    (図-3参照
 海外における原子炉冷却系統設備の損傷事例等に鑑み、将来的な健全性維持を図るという予防保全の観点から、原子炉冷却系統設備の化学体積制御系統配管の一部について、材質等を変更した新しい配管に取り替えました。
(4)化学体積制御系統浄化流量増加工事   (図-4参照
 1次冷却材中の放射性腐食生成物を効率的に除去し、定期検査時における被ばく低減を図ることを目的として、化学体積制御系統のプラント停止時の浄化流量を増加させる改造工事を実施しました。
(5)1次冷却材系統脱気装置の設置工事  (図-5参照)  
応力腐食割れに対する環境改善及び脱気操作の短縮を図るため、高浜発電所1号機第19回定期検査時に設置した脱気装置を持ち込み、接続配管を設置しました。

2.蒸気発生器伝熱管の渦流探傷検査(ECT)の結果

 蒸気発生器伝熱管(B-蒸気発生器、計3,382本)について、その健全性確認のため、渦流探傷検査(ECT)を実施した結果、有意な信号は認められませんでした。
(参考)各蒸気発生器の伝熱管設備本数 : Aループ 3,382本
  : Bループ 3,382本
  : Cループ 3,382本
3.燃料集合体の検査結果
燃料集合体(22体)について、外観検査を実施した結果、異常は認められませんでした。
また、燃料集合体全数157体のうち65体を取替えました。
(取替燃料集合体65体のうち52体は新燃料集合体)

4.次回の定期検査の予定

平成14年春頃

以 上 

<参考資料>

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