プレスリリース

1999年1月21日

高浜発電所1号機の定期検査開始について

     高浜発電所1号機(加圧水型軽水炉 定格出力82.6万キロワット)は、定格出力運転中のところ、平成11年1月7日11時22分に「冷却材ドレンタンク圧力高」の警報が発信し、11時24分には「B-1次冷却材ポンプ(以下RCPという)スタンドパイプ水位低」の警報が発信しました。

     直ちに原因を調査した結果、気体廃棄物処理系統にあるA-ガス圧縮機の気水分離器に設置されている水位計伝送器が故障し、「水位低」の誤信号を発信したため、自動的に補給水弁が開となり当該気水分離器に水(純水)の補給が行われました。この補給された水が気水分離器につながっている冷却材ドレンタンクに流れ込んだため、同タンク内の圧力が上昇し、警報が発信したものと判明しました。

     また、「RCPスタンドパイプの水位低」警報が発信した原因は、冷却材ドレンタンクの圧力上昇に伴い、同タンクとつながっているスタンドパイプ内の圧力も上昇したことから、スタンドパイプ内の水が、RCPの第3軸シールを通って、同タンクに流れ込んだためと判明しました。

     対策として、1月7日13時17分に補給水弁を閉止し、冷却材ドレンタンクの圧力を正常に復旧させるとともに、当該の水位計伝送器の取り替えを行い、1月8日夕刻には気体廃棄物処理系統も正常に復旧しました。

     B-RCPの「スタンドパイプ水位低」警報については、手順に従い手動にてスタンドパイプに水を補給し、警報は解除されましたが、冷却材ドレンタンクの圧力が正常に復旧した以降も同警報が発信し、また、C-RCPでも同様の警報が発信しました。このため、同タンクの圧力を調整する操作等を行いましたが、その後も断続的に発信していることから、第3軸シール部を通る水量が通常運転状態より若干多くなっているものと考えられます。

     RCP軸シールの主機能である第1、第2軸シール部に異常はないことから、ポンプの健全性に影響を与えるものではありません。

     本事象による環境への影響はありません。

冷却材ドレンタンク
:格納容器内に設置され、通常運転中は主に1次冷却材ポンプの軸シール水の一部を回収するタンク。

ガス圧縮機
:気体廃棄物処理系統の機器の一つで、管理区域内の各機器(冷却材ドレンタンク等)から発生する放射性ガスをガス減衰タンクへ送り込む装置

気水分離器
:ガス圧縮機から送り込まれるガスの水分を分離するための装置で、気体はガス減衰タンクへ送り込まれる。

RCPスタンドパイプ
:1次冷却材ポンプの軸シール水量の管理および第3軸シールの水潤滑の確保のためのパイプ。
第3軸シールを通ったスタンドパイプの保有水は冷却材ドレンタンクに回収される。
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