原子力発電について
公開情報

2018年8月20日

 高浜発電所4号機(加圧水型軽水炉 定格電気出力87万キロワット、定格熱出力266万キロワット)は、第21回定期検査中のところ、本日8時11分に「タービン動補助給水ポンプ*1制御油圧低」警報*2が発信しました。直ちに現場の状況を確認したところ、床面に約1m×約1m×約2cmの油(約2リットル)が漏れていることを確認したことから、制御油ポンプを停止しました。このため、同日8時26分に保安規定の運転上の制限*3を満足していない状態にあると判断するとともに、タービン動補助給水ポンプを待機除外としました。
 なお、制御油ポンプを停止した時点で制御油の漏洩は停止し、制御油が漏洩した原因については、現在調査中です。
 本事象による環境への放射能の影響はありません。

2018年8月19日お知らせ済み)

 調査の結果、タービン動補助給水ポンプの制御油系統の油供給継手部からの漏洩が確認されたことから、継手部を取り外したところ、パッキンが損傷し、一部が袋ナット部からはみ出ていることを確認しました。
 漏洩した原因は、前回の点検時に袋ナットを締め付けた際にパッキンが変形した状態で復旧した後、損傷に至ったものと推定しました。
 このため、当該パッキンの取り替えを行い、袋ナットからパッキンがはみ出していないことを確認するとともに、制御油ポンプの確認運転を行い、油の漏洩がないことを確認したため、22時40分に運転上の制限を満足する状態に復帰しました。

  1. *1 タービン動補助給水ポンプは、主給水系統事故時など、通常の給水系統の機能が失われた場合に、蒸気発生器に給水を行うためのポンプで、蒸気発生器で発生した主蒸気の一部でタービンを回し、その回転力でポンプを駆動するポンプである。そのほか高浜発電所4号機には、補助給水ポンプとして、電動補助給水ポンプが2台あり、タービン動補助給水ポンプ1台とあわせて、通常時は3台とも待機状態にあり、定期的に運転して異常のないことを確認している。
  2. *2 「タービン動補助給水ポンプ制御油圧低」警報:油圧が177kPa以下となった場合に発信する。平常値は約200~380kPa。
  3. *3 保安規定65条 モード3(1次冷却材温度177℃以上)では、補助給水ポンプ3台が動作可能であることが求められている。このうち1台のポンプが待機除外となった場合は、残りの2台のポンプを起動し、動作可能であることを確認することが求められており、同日9時58分に動作可能であることを確認した。
保安規定の運転上の制限の逸脱
 運転上の制限とは、安全機能を確保するため、予備も含めて動作可能な機器(ポンプ等)の必要台数や、原子炉の状態毎に遵守すべき温度や圧力の制限が定められているものです。
 一時的にこれを満足しない状態が発生すると、事業者は運転上の制限からの逸脱を宣言し、予め定められた時間内に修理等を行うことが必要となります。

以 上

事業概要