再発防止に向けた
業務改善計画について

第三者委員会報告書の概要

(第三者委員会の調査報告書に基づき、当社の理解により取り纏めたものです)

第三者委員会の設置の経緯

金品受取り問題について客観的かつ徹底的な調査を行うため、2019年10月2日、中立・公正な社外委員のみで構成される第三者委員会を設置することとし、同9日に調査を委嘱。

委員会の構成

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  氏名 経歴
委員長 但 木 敬 一 T&Tパートナーズ法律事務所・弁護士
元検事総長
委 員 奈 良 道 博 半蔵門総合法律事務所・弁護士
元第一東京弁護士会 会長
委 員 貝阿彌   誠 大手町法律事務所・弁護士
元東京地方裁判所 所長
特別顧問 久保井 一 匡 久保井総合法律事務所・弁護士
元日本弁護士連合会 会長

調査期間、委員会の開催日程

  • 2019年10月9日から2020年3月13日までの間、調査を実施。
  • 委員会を計14回開催。

調査の方法

  • 関係者に対するヒアリング
  • 関連資料の分析
  • デジタル・フォレンジック調査
  • ホットライン調査 等

森山氏と関西電力との関係

  • 森山氏は、高浜町役場在職時代から、原子力発電所の立地運営に協力する一方、当社の不適切な行為を見聞きし、自ら関与してきたものと考えられ、当社の役職員は、「関西電力の弱みを握る人物」として認識していたことが認められる。
  • 当社の役職員が多額の金品を受領している事実が公表されれば、社会からの批判で原子力発電所の運営が揺るがされかねないものであり、当社の役職員に対し多額の金品の提供を続けることで、新たに関西電力の知られてはならない情報を作出していった。

関西電力等の役職員による金品受領

  • 当社グループ役職員合計75名が、森山氏等から、総額約3億6000万円相当の金品を受領していた。
  • 1回当たりの受領額は数万円~数十万円程度が多いが、一部の幹部は、500万円や1000万円の金品を受領することがあり、総額も数千万円から1億円強と極めて高額の金品を受け取っていた。
  • 東日本大震災以降、原子力発電所の新規制基準対応等から、原子力発電所における工事発注の増加と時期を同じくして、金品を受領した役職員数や受領する金品の額も大きく増加した。
  • 金品を受領した役職員の多くは、受領し管理していた現金・商品券等を用いて同額相当の品物を購入し、森山氏に贈ることで金品相当額を返却していた。
  • 報酬等の名目で、本件取引先から多額の金銭を受領しており、森山氏が提供した金品の原資の一部は、本件取引先からの報酬等から拠出されていたと評価する方が実態に合うと考えられる。

事前発注約束等

  • 当社役職員が、森山氏の要求に応じる形で、個別の工事等や発注予定額に見合う工事等を発注することを約束し、実際に発注を行っている場合もあった。また、現在または将来の工事案件や工事概算額等の情報を提供していた。
  • この行為は、特命発注案件に関しては、発注プロセスの適切性・透明性等をゆがめる行為で、当社の利益をも損なわせるおそれをはらんでおり、コンプライアンス上極めて重大な問題であった。なお、工事の発注金額については、不合理であったと認めるまでには至らなかった。
  • 競争発注案件の入札にあたって、森山氏に提供した情報が有利に働き、その結果、競争発注が不適切になっていた面がある。また、不適切な取扱いによって落札者が事前に決定しているなど、競争発注が一部で形骸化していた可能性がうかがえる。

本件の総括的分析

  • 森山氏による金品提供の主たる目的は、その見返りとして、自分の関係する企業へ工事発注を行わせ、そのことによってそれらの企業から経済的利益を得るという構造、仕組みを維持すること。
  • 長期間、森山氏との関係を断絶できなかったのは、内向きの企業体質の下、経営陣が問題を先送りし組織的に対峙するというガバナンスが機能しなかったことによる。

金品受領問題発覚後の関西電力の対応

  • 社内調査は、時間的範囲、人的範囲のほか、深度のある調査を行わなかったなど不十分。
  • 執行部が取締役会へ報告しなかったことは、企業不祥事へのガバナンスが全く機能していないといわざるを得ない。
  • 監査役は取締役会に報告すべきであった。
  • 公表について取締役会で議論されなかったことは、ガバナンスの機能不全であり、株主・ユーザーへの背信行為であり、隠ぺいの謗りを免れない。
  • 金品受領者を取締役等に選任する議案を株主・取締役に決議させたことは問題が大きい。
  • 金品受領者の一部は、受領した金品の修正申告を行ったが、経営トップが話し合って、追加納税負担分の補填を決めた。

原因分析

  • 業績や事業活動をコンプライアンスに優先させるべきではないという意識を欠いたこと
  • 経営陣が、本件問題と正面から向き合い、是正する決断力を欠いたこと
  • 透明性を欠く誤った「地元重視」が問題行為を正当化していたこと
  • 原子力事業本部が閉鎖的で、同部に対するガバナンスが不足していたこと
  • 本件問題発覚後の事後対応においても露見した身内に甘い脆弱なガバナンス意識
  • 内向きの企業体質(ユーザー目線の欠落と透明性の軽視)

再発防止策

  • ユーザー目線でのコンプライアンス意識の醸成
  • 内向きの企業体質の是正(取締役会長に社外の者を)
  • 地元を重視する施策についての透明性の向上
  • 取引先関係者からの金品受領に関する明確なルール設定(*)
  • 悪しき情報が早く伝わり、現場に直接メスが入るためのガバナンス体制の再構築

(*)2019年12月、「贈答および接待の取扱いに関する規程」を制定し、贈答を受けることを禁止するなど、新たなルールを整備しました。

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