容量市場とは、従来の卸電力市場で取引されている「電力量(kWh)」ではなく、「将来の供給力(kW)」を取引する市場です。
将来必要な供給力(電源)を効率的に確保するために、諸外国で広く導入されている容量市場が2020年度に創設されました。
具体的には発電所等の供給力に対し、長期的な投資回収の予見性を持たせることで、市場原理により適切な電源構築を行い、中長期的に必要な供給力等を確保するための仕組みです。
電力自由化やFIT制度の導入による再生可能エネルギーの拡大により、電力会社をとりまく環境は大きく変化しましたが、引き続き、安定供給を維持するには多様な電源(発電所)を持ち、供給力を安定化させることが必要です。
電源の新規建設やリプレースを行うためには、長い期間が必要ですが、先行きの見通しが立たないと事業はなかなかすすみません。この状態を放置すると電源への投資が適切に行われず、安定供給が損なわれ、それにともなう電気料金の高騰が起きる可能性があります。
そこで、
容量市場のオークションには様々な電源が参加することができます。
お客さまの既存設備を活用したデマンドレスポンスや、廃棄物発電所を含む発電設備(一部)も、発動指令電源としてご参加いただけます。
現在、調整力公募(電源Ⅰ’)にご参加いただくお客さまの場合、容量市場においても同様にご参加いただけます。デマンドレスポンスでご参加いただいているお客さまは、2023年度までは調整力公募、2024年度からは容量市場への参加により報酬を受け取ることが可能です。
調整力公募は例年、次年度向きの募集が前年度にございますが、容量市場は長期的な予見性確保の観点からメインオークションは4年前、電源の実効性を確認するテストは2年前に行うことになるため、容量市場は調整力公募に比べ、お客さまと参加に向けての合意を早期に行う必要がございます。
容量市場は、電力広域的運営推進機関(広域機関)が実需給年度の4年前に全国で必要な供給力を一括で入札により確保します。
約定価格は、原則として落札された電源のうち最も高い応札価格とし、応札価格が単一の約定価格となるシングルプライス方式で決定されます。
VPP・DRは、本来別の目的を持ったお客さまのエネルギーリソース(例えば、蓄電池の場合、ピークカットや太陽光等の再エネの自家消費の拡大、BCP対策等)の余力を活用するため、 系統安定化のために従来型の火力発電や揚水発電などの電源と比べ、設備投資等を抑制することができ、 中長期的には系統安定化コストの低減に貢献するものと期待されています。
太陽光や風力といった再生可能エネルギーは、天候などの影響によって短い時間のなかで発電量が急激に変動するため、導入促進には、導入量に見合った調整力を確保する必要があります。
そこで、今後、さらなる再生可能エネルギーの導入拡大に向けて、VPP・DRの調整力としての重要性は高まってきます。
関西電力はアグリゲーターとして、需給調整市場への参入を含め、 DRの買い手や取引メニューを増やすことで、お客さまのエネルギーリソース価値を最大化できる最適なサービスをご提案してまいります。