2022-1-26

DX化は「お客さまのため」株式会社オプテージ 岩永 快平

DX化は「お客さまのため」

PROFILE

岩永 快平(いわなが かいへい)

株式会社オプテージ 技術本部 光・アクセス工事部 法人工事第1チーム所属。
2015年に株式会社オプテージ(当時:ケイ・オプティコム)入社。
入社後は、設計部に配属となり、光ファイバーアクセス網のルート設計を経験。
その後、光ファイバーの架線および接続工事を担っている工事会社(株式会社かんでんエンジニアリング)へ短期出向し、光ファイバーの工事を担当。
3年目からは工事部に異動し、一貫して設計・工事業務に従事。
2020年6月から、光・アクセス部門のDXプロジェクトチームメンバーに抜擢。

現在、プロジェクトメンバーとして光・アクセス部門における業務の効率化に向けたDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組んでいる岩永氏。
プロジェクトを通じ実現したいことを聞いてみました。

「お客さまのため」にDXによる効率化に挑戦

入社して7年間、光ファイバーの設計や工事業務に携わってきた中で、社内だけではなく、工事会社も含めた効率化が必要であると感じていました。

例えば、設計書の電子化です。

現在は、1件の工事に取り掛かるために、紙の設計書を作成して、工事会社とやりとりしています。当社で作成した設計書を工事会社へ郵送するために最低でも1日、発送先エリアや発送する時間帯によっては2~3日かかってしまいます。設計書が工事会社に到着してから、設計内容を確認し、必要な現場作業員や機材を手配いただく流れのため、郵送に要する日数が少なからず後工程に影響を与えてしまいます。

また、工事現場でのトラブルの際も、現場の状況を電話で確認し、紙の設計書を見ながら対応策を考え、場合によっては、設計書を修正して再度郵送するなど、非効率な部分があると考えています。

設計書を電子化できれば、膨大な量の紙の印刷が不要になることはもちろん、郵送の時間も省けますし、トラブルが起きたときも写真や動画を用いることで、正確に問題を把握でき、迅速な対応が可能となります。結果的にお客さまのへのサービス提供を早め、かつ品質向上につながりますので、非常に重要なことだと思います。

現場での経験が役に立った

非効率な運用は以前から感じていましたが、工事会社を巻きこむまでの改善には至っていませんでした。
コロナ禍もあり、社内でも在宅勤務が推奨されたタイミングで、ペーパーレス化や業務効率化も進んではきましたが、その多くは社内の資料や業務に関するものでした。

そのような中、2020年6月に、光・アクセス部門のプロジェクトチームメンバーに任命され、効率化に着手することになりました。

プロジェクトチームは、根本的な業務改革による効率化を目的として立ち上がりましたが、すべて最終的にはお客さまの満足度向上につながるため、「お客さま起点(目線)」を忘れないことを心掛けました。

業務の特性上、技術部門はどうしてもお客さまとの接点が少なく、「お客さま起点」の意識が薄くなりがちです。営業部門が受け付けた工事を淡々とこなすのではなく、1日でも早く、高品質なサービスをお客さまに提供することが、技術部門だからこそ実現できる「お客さま起点」の取り組みだと考えています。

私自身、そう考えるようになったきっかけは、入社2年目に出向した工事会社での経験が大きいです。

実際に現場工事に携わり、工事会社の方が何十本も束ねられた光ファイバーを丁寧にかつ素早く接続する作業を間近で見せていただき、また、自分自身も模擬設備で施工経験させていただいたことで、机上業務だけでは実感できなかった接続作業の繊細さや難しさ、図面では伝わらない地面の勾配、天候や気温など、作業に要する時間や手間などが実感でき、このような現場の苦労がお客さまに満足いただけるサービスにつながっていることを知ることができました。

また、準備の大切さを身に沁みましたね。「段取り八分」とはまさにその通りで、事前準備を怠らないことが、安全作業につながるのだと実感しました。

現場の声に耳を傾け、寄り添っていきたい

しかしながら、設計書を電子化するだけでも様々なハードルがあります。
いくら私たちが電子化を推奨したくても、実際に工事を実施する工事会社の作業員の方々が使いやすいものでないと、業務効率化を達成することはできません。

実際にどのような課題があるかを調査するために、先日、工事会社のみなさんにタブレット端末上での設計書確認や操作を模擬的に体験いただき、ご意見をいただきました。

紙からタブレットに移行することにそもそも抵抗感があったり、「作業手袋を着用して作業している中で、どのようにタブレット端末を操作するのか」、「大規模なアクセス網を整備する場合、紙を何枚も並べないと工事内容の全体を把握できない」など、言われてハッとする、机上だけではわからない現場ならではの意見が多々ありました。必ずしも今の工程、やり方を単純に電子化するのではなく、システムでフォローする部分や、運用を変えていくことを考える必要があると思っています。

改めて、工事会社の方々に寄り添って一緒に進めていくことの重要性を感じたとともに、ハードルを乗り越えてやろうという強い覚悟が生まれました。

プロジェクトを成功させ、将来はスペシャリストに

効率化の取り組みは道半ばですが、光・アクセス部門は設備産業のため、他の部門と比べてコストが大きく、その分、成功したときのインパクトは大きくなります。必ず実現させて会社に貢献したいです。

また、プロジェクトを通じて、自分自身の課題にも気づくことができました。
入社してから一貫して設計・工事業務に携わってきたので、上流の通信基地局や、お客さまサービスに関する知識が足りないと実感しています。
今後は、それらの部門も経験したうえで、最終的にはまた設計・工事関連の業務に戻ってスキルを向上させ、ネットワークインフラに関するスペシャリストになりたいです。

休日には家族とサッカー観戦でリフレッシュ

趣味はサッカー観戦で、休日は妻と子どもと一緒に大阪のプロサッカーチームの試合を観戦しています。妻が熱狂的なファンなので、私より応援に熱が入ってますね。(笑)
高校時代は全国大会に出場するほど毎日サッカーに明け暮れていましたが、大学では所属している学部のキャンパスにサッカー部がなかったため、サークルで活動していました。
入社してからは全くプレーすることがなくなったため、今は観る専門です。
休日に家族と過ごす時間が、仕事を頑張る活力にもつながっています。

サッカーも仕事もチームプレイが重要で、それぞれに与えられたポジションでの役割を全うし、チームで助け合いながら目標に向かっていくところが似ていますね。

会社に入ってからはチームの規模が広がった感覚で、自分が所属している部署だけではなく、営業部門や工事会社等、関係箇所と連携し、1つのチームのように仕事を進めていくところに楽しさを感じます。

今後も関西電力グループの一員として、熱意とまごころを込めて、お客さまの力になれるよう頑張ります!

(聞き手)

関西電力株式会社 広報室 村上・宮田