プレスリリース
2020
2020年10月9日
関西電力株式会社
バーチャルパワープラント技術の活用による需給調整市場への参入について
当社はこのたび、バーチャルパワープラント※1(以下、VPP)技術を活用して、2021年4月から開設される需給調整市場に参入することを決定しました。
需給調整市場は、一般送配電事業者が変動する電力需要にリアルタイムに対応するための調整力※2を、これまでのエリアでの公募制から全国一体的な市場を用いて調達するために開設される市場です。
VPP技術を活用して需給調整市場に参入するためには、お客さまが保有するエネルギーリソースの制御精度など、高い技術力が必要となります。
当社は、「経済産業省 需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント構築実証事業※3」への参画や「K-VIPs」※4の開発等を通じて、VPPに関する技術やノウハウを獲得してきました。
また、低炭素社会の実現に向けて再生可能エネルギーを普及拡大する上で、急激な出力の変動に対応する課題の解決のためにも、調整力の役割を担うVPP技術への期待が高まっています。
今回、デマンドレスポンス※5の制御精度の高いお客さまとの契約が完了するとともに、K-VIPsの機能拡張等、参入要件を満たす目途が立ったことから、VPP技術を活用した需給調整市場への参入を決定しました。
今後、市場運営者である一般送配電事業者に対して、参入に向けた資格審査の申込みを行うなど、準備を進めていきます。
当社は、引き続き、需給調整市場を通じて獲得した知見をもとに、K-VIPsの機能拡充等を図りながら、需給の安定化や再生可能エネルギーの普及拡大への貢献および、お客さまが保有するエネルギーリソースの価値最大化に取り組んでまいります。
以 上
- ※1:電力系統に点在するお客さまの機器をIoT化して一括制御することにより、お客さま設備から捻出できる需給調整力を有効活用し、あたかも一つの発電所(仮想発電所)のように機能させる仕組み。
- ※2:一般送配電事業者が供給エリア内の需給バランスを調整するために必要となる能力。発電事業者やお客さまなどの発電設備や電力貯蔵装置、デマンドレスポンスなど、電力需給を制御するシステム等が関係する。
- ※3:経済産業省資源エネルギー庁が、VPPの構築に係る実証事業に対して、一部の費用を助成するもの。当社は2016年度から2020年度まで毎年度参画している。
- ※4:K-VIPs = Kanden Vpp Integrated Platform system
対象のお客さまの電力量(1分値)を取得し、エネルギーリソースの監視・制御等へ利活用することで、お客さまのVPPへの取組みをサポートする統合プラットフォームシステム - ※5:お客さまのエネルギーリソースを制御することで、電力需要を変化させること。