プレスリリース
2020
2020年6月1日
関西電力株式会社
出光興産株式会社
住友電気工業株式会社
バーチャルパワープラント構築実証事業における卸電力市場価格に連動する電気料金に基づいた電気自動車の充放電遠隔制御実証の開始について
関西電力株式会社、出光興産株式会社、住友電気工業株式会社は、令和2年度需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント※1(以下、VPP)構築実証事業費補助金※2の交付決定を受けたことから、電気自動車(以下、EV)およびプラグインハイブリッド車(以下、PHEV)を活用した卸電力市場価格に連動する電気料金に基づく充放電遠隔制御実証を、5月29日より開始しました。
VPP構築実証事業である「関西VPPプロジェクト」※3では、2016年度からEV/PHEVをエネルギーリソースとして活用する取り組みを行ってきました。今年度は、日本卸電力取引所(以下、JEPX)の卸電力市場価格と連動した時間帯別のダイナミックプライシング※4料金メニュー(以下、DP料金メニュー)に基づき、一般家庭に設置する充電器等※5をアグリゲーター※6が遠隔制御することで、市場価格の安い時間帯にEV/PHEVの充電時間をシフトする実証に取り組んでまいります。
具体的には、充放電を制御するサーバ※7により、小売電気事業者が提供するDP料金メニューの情報と、制御機器の情報から把握した充電可能量を組み合わせることで、ユーザーが必要とする充電量を、価格の安い時間帯に充電するようアグリゲーターが最適な制御を行います。また、EV/PHEVユーザーにサーバと連携するスマートフォンアプリを提供し、運行計画を入力いただくことで、より実運用を想定した実証を行います。
本実証を通じて、VPPにおけるEV/PHEVの新たな活用に向けた技術的知見を蓄積するとともに、今後のEV/PHEV普及による運輸部門の低炭素化や電力の安定供給、再生可能エネルギーのさらなる導入拡大を目指すことで、エネルギーを効率的に活用する社会の実現に貢献してまいります。
以 上
- ※1 電力系統に点在するお客さまの機器をIoT化して一括制御することにより、お客さま設備から捻出できる需給調整力を有効活用し、あたかも一つの発電所(仮想発電所)のように機能させる仕組み。
- ※2 経済産業省資源エネルギー庁の補助事業である「令和2年度需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント構築実証事業費補助金」を活用して行う実証事業。
- ※3 関西電力を中心とするVPP実証コンソーシアム。
- ※4 商品やサービスの価格を需要と供給の状況に合わせて変動させる価格戦略。本実証では、JEPXで取引されている電力市場価格と連携する。
- ※5 充電器の他にEV/PHEVの充放電を遠隔制御できるV2X(Vehicle to X)機器など。
- ※6 需要家の電力需要を束ねて効果的にエネルギーマネジメントサービスを提供する事業者。
- ※7 DP料金メニューの情報等を基にEV/PHEVの充放電を制御するサーバ。EVDPサーバという。