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2019年2月5日
関西電力株式会社
株式会社ディー・エヌ・エー

関西電力とDeNAが、石炭火力発電所の燃料運用最適化を行うAIソリューションの共同開発等に関して基本合意

 関西電力株式会社(以下、関西電力)と株式会社ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)は、石炭火力発電所の燃料運用最適化を行うAIソリューションを共同開発し、外販ビジネスに向けて協業を進めることに関して、本日、基本合意しました。

 関西電力では、火力発電所の遠隔監視サービスやデジタルツイン開発※1など、最新のAI・IoT等のデジタル技術と発電設備の運用ノウハウ・技術知見を融合した新たなサービス・製品の開発に取組んでいます。一方、DeNAは豊富なAI人材・データサイエンティストを擁し、主力のゲーム事業に加え、ヘルスケア、オートモーティブ等、多種多様な事業を展開しています。
 両社は、それぞれの強みを活かして、昨年から石炭火力発電所の燃料運用の最適化について検討を進めてきました。

 石炭火力発電所では、輸送船から受け入れた石炭をサイロで一旦貯蔵した後、ボイラで燃焼していますが、石炭の種類によって混載や混焼ができない等の制約があるため、熟練技術者が長年の経験やノウハウに基づいて、それらの制約を考慮しながら複数のサイロ、ボイラを運用するスケジュールを作成し、状況変化に応じて都度見直しながら運用しています。

 関西電力とDeNAは、熟練技術者による燃料運用のスケジューリング作業の自動化を目指し、関西電力が設定した課題や運用条件に基づいて、DeNAが一般的にゲームAIに用いられる、膨大な組合せの中から最適なものを探索する技術を導入し、アルゴリズム※2を構築しました。
 その結果、短時間でスケジュールを自動作成し、経験の浅い技術者でも容易に扱うことができる燃料運用最適化システムの開発について目処が立ちました。本システムでは、従来よりも複雑で細かなスケジュールを作成でき、様々な運用条件でのスケジュールを短時間で比較検討できると見込まれています。

 今回の基本合意は、本システムを活用したAIソリューションの本格的な開発及び外販ビジネスに向けた協業を目指すものであり、今後、舞鶴発電所での検証を通して改良を進めていく予定です。

 DeNAが構築したアルゴリズムは、原材料受入から製品生産までのプロセスを持つ幅広い分野でのスケジューリングへの適用が期待できるため、2020年代前半を目標に関西電力が提供する「K-VaCS®(ケイバックス)※3」のサービスの一つとして、他社への展開・導入を両社共同で進めてまいります。

  • ※1:実際に存在する機器をデジタル上に再現するもの。関西電力、三菱日立パワーシステムズが舞鶴発電所で実証試験を実施。
  • ※2:数学、コンピューティングなどの分野において、問題を解くための手順を定式化した形で表現したもの
  • ※3:Kansai-Value Creation Serviceの略で、火力発電所に係る新設プロジェクトの基本計画から運転開始後の設備運用保守管理に至る全てのステップにおいて、顧客の価値を創造する関西電力のソリューションサービスのこと。

以 上

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