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2016年3月14日
堺市
イオンモール株式会社
関西電力株式会社

堺市鉄砲町地区における下水再生水複合利用事業の運用開始について

 堺市とイオンモール株式会社および関西電力グループは、平成28年3月19日よりイオンモール堺鉄砲町(堺市鉄砲町)において、下水再生水※1を熱源および水源として有効活用する「下水再生水複合利用事業」の運用を開始します。本事業は夏に冷たく冬に温かい下水再生水をイオンモール施設内の給湯や空調の熱源として活用するとともに、熱源として利用した下水再生水を施設内の「憩いの場せせらぎ」や「トイレ洗浄水」、施設外にある「内川緑地せせらぎ水路」※2の水源として活用するものです。下水再生水を一つの施設内で給湯と空調の熱源として利用する事例および下水再生水を熱源と水源に複合利用する事例は、いずれも全国初の事業となります。

[本事業の特長]
<熱源としての利用>
 堺市の三宝下水処理場で処理された下水再生水を、給湯等の熱源に利用して水温を下げた後、空調熱源(冷房)で再度利用します。これにより、年間で3.5%の省エネ効果と7.5tのCO削減効果※3を見込んでいます。
<水源としての利用>
 熱利用後の下水再生水は、イオンモール施設内では、膜処理装置による浄化処理を行った上で、「憩いの場せせらぎ」や「トイレ洗浄水」として活用します。施設外では、内川緑地せせらぎ水路の水源として活用した後、内川に流れ込みます。これにより、水源として利用するだけではなく、堺市の「第2次堺市環境モデル都市行動計画」や「仁徳陵・内川水環境再生プラン」、環濠都市堺※4の再生に向けた取組みの実現にも貢献していきます。
 なお、内川緑地せせらぎ水路への送水は、4月開始を予定しています。
<下水再生水の活用を通じた環境への貢献と街づくり>
 本事業は事業主のイオンモールが、環境への配慮に加え、エネルギーの効率的な利用や防災対応など、"まちぐるみ"の視点を取り入れた次世代型エコストア「スマートイオン」のひとつとして位置付けた「イオンモール堺鉄砲町」を中心に、下水再生水などの未利用の地域資源を活用した「快適な暮らし」と「まちの賑わい」が持続する「クールシティ・堺」の実現や、室町時代後半から江戸時代初期にかけて「黄金の日日」を迎えた「歴史文化のまち堺」の魅力の発信を目指す堺市と、エネルギー事業を通じた地域活性化やスマートコミュニティの構築に実績のある関西電力グループが連携して取り組むものです。

 今後は未利用エネルギーである下水再生水活用の先進的なモデルとして着実に事業を推進していくとともに、3者でそれぞれの特性を活かしながら、一体となって、エネルギーの有効利用だけではなく、周辺エリアの活性化や魅力ある街づくりに取り組んでまいります。

  • ※1 下水処理場でろ過処理などの高度な処理をされた水。夏に冷たく冬に温かいという特徴を持つ。
  • ※2 市内を流れる内川の上流に市民の憩いの場として緑化整備された内川緑地の中を流れる水路のこと。
  • ※3 関西電力平成22~26年度5ヶ年平均値排出係数0.439t-CO/MWhを用いて算出。
  • ※4 室町時代後半から江戸時代初期にかけて貿易で栄えた自治都市である堺の周囲を防御のために取り巻いていた堀のこと。堺市内を流れる内川は環濠の名残とされる。

以上

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