プレスリリース

2015年5月1日
関西電力株式会社

原子力発電所の運営状況について

 当社の原子力発電所における運営状況について、以下のとおりお知らせします。

1.運転状況について(平成27年4月30日現在)
発電所 電気
出力
(kW)
運転状況 備  考
美 浜
発電所
1号機 廃止(H27.4.27 24:00)
(定期検査中(H22年11月24日~))
 
2号機 廃止(H27.4.27 24:00)
(定期検査中(H23年12月18日~))
 
3号機 82.6万 第25回 定期検査中
H23年5月14日~未定
 
高 浜
発電所
1号機 82.6万 第27回 定期検査中
H23年1月10日~未定
 
2号機 82.6万 第27回 定期検査中
H23年11月25日~未定
A非常用ディーゼル発電機室内における蒸気漏れについて
詳細は2(3)のとおり
3号機 87.0万 第21回 定期検査中
H24年2月20日~未定
 
4号機 87.0万 第20回 定期検査中
H23年7月21日~未定
 
大 飯
発電所
1号機 117.5万 第24回 定期検査中
H22年12月10日~未定
 
2号機 117.5万 第24回 定期検査中
H23年12月16日~未定
 
3号機 118.0万 第16回 定期検査中
H25年9月2日~未定
 
4号機 118.0万 第15回 定期検査中
H25年9月15日~未定
 
  • ※法律上、定期検査は廃止措置計画の認可を受けた日をもって終了とみなされる。
<新規制基準施行に伴い申請を行ったプラント>
発電所名 申請 申請日 補正日 許認可日
大飯
3・4号機
原子炉設置変更許可申請 H25.7.8
工事計画認可申請 H25.7.8
H25.8.5
保安規定変更認可申請 H25.7.8
高浜
3・4号機
原子炉設置変更許可申請 H25.7.8 H26.10.31
H26.12.1
H27.1.28
H27.2.12
工事計画認可申請 H25.7.8
H25.8.5
H27.2.2
H27.4.15
保安規定変更認可申請 H25.7.8
美浜3号機 原子炉設置変更許可申請 H27. 3.17
工事計画認可申請
保安規定変更認可申請 H27. 3.17
高浜
1・2号機
原子炉設置変更許可申請 H27. 3.17
工事計画認可申請
保安規定変更認可申請
  • *H27.2.2の補正書にH25.8.5の申請内容を含めたため、H25.8.5の申請を取り下げ
2.トラブルなど情報について
(1)法令に基づき国に報告する事象(安全協定の異常時報告事象にも該当する事象)
なし
(2)安全協定の異常時報告事象
なし
(3)保全品質情報等
発電所名  高浜発電所2号機 発 生 日  平成27年4月13日
件  名 A非常用ディーゼル発電機室内における蒸気漏れについて、(添付図)
事象概要
および
対 策 等
1.事象の概要
 定期検査中の高浜発電所2号機(加圧水型軽水炉 定格電気出力82万6千キロワット、定格熱出力244万キロワット)において、平成27年4月13日0時12分頃、A非常用ディーゼル発電機室内(非管理区域)の火災報知器が発報したことから、同日0時13分に当社社員が119番通報を行いました。
 運転員および委託消防隊が現場を確認したところ、室内にある補助蒸気配管の保温材の隙間から蒸気が漏れていたため、同日0時34分に運転員が補助蒸気系統の元弁を閉止し、蒸気漏れを停止させました。
 その後現場に到着した公設の消防により、同日0時58分に火災は発生していないと判断されました。
 なお、本事象による周辺環境への放射能の影響はありませんでした。
2.調査結果
 補助蒸気配管の保温材を取り外して確認した結果、A非常用ディーゼル発電機清水加熱器補助蒸気供給弁と配管をつなぐフランジ部のパッキンが破損していることを確認しました。また、弁を取り外した際、下流側配管にドレン水が滞留(約1リットル)していることを確認しました。
(1)フランジ部の調査

・平成25年8月にパッキンを交換した際の施工記録や弁を取り外す際の状態を確認した結果、ボルト締付力やパッキン面圧は正常であることを確認しました。


(2)補助蒸気系統の運用状況の調査

・事象発生当時の現場の状況は、A非常用ディーゼル発電機は補助蒸気供給弁を閉止し、定期検査を実施中でした。B非常用ディーゼル発電機では起動試験準備が行われており、ディーゼル発電機を暖機するため、清水加熱器温度制御弁前弁を開け、補助蒸気を流し始めたところ、現場にいた運転員が補助蒸気配管からの異音を確認しました。

・補助蒸気系統の運用について確認した結果、プラントの長期停止に伴い、補助蒸気の使用を抑制するため、平成25年8月に非常用ディーゼル発電機の暖機を「常時実施」から、「起動前実施」へと変更していることを確認しました。このため、補助蒸気配管内にドレン水が滞留していたと推定しました。

3.推定原因
 A非常用ディーゼル発電機の補助蒸気配管にドレン水が滞留した状態で、B非常用ディーゼル発電機の補助蒸気配管に蒸気を通したことにより、A非常用ディーゼル発電機の補助蒸気配管に蒸気が流入し、急激に凝縮してウォーターハンマー現象が発生したことで、その水圧によりパッキンが破損し、蒸気漏れに至ったものと推定しました。
 なお、ウォーターハンマー現象の影響を受けた可能性がある補助蒸気系統元弁から清水加熱器までの配管について、溶接部の非破壊検査を実施しました。また、配管サポート部・フランジ部の目視点検等を実施し、既設設備への影響がないことを確認しました。
  • ※:ウォーターハンマー現象(水撃現象)
    高温の蒸気が水と接触し急激に冷やされると、蒸気が水に戻され急激な体積収縮が生じ、大きなエネルギーを持つ圧力波が伝播される現象。
4.対 策
  • (1)蒸気漏れが発生した配管フランジ部のパッキンを新品に取替えます。
  • (2)当該補助蒸気系統に滞留したドレン水排出用の弁を新たに設置し、非常用ディーゼル発電機の暖機を行う場合は、事前に滞留したドレン水を抜く運用に変更します。

以 上

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