プレスリリース

2014年11月14日
関西電力株式会社

「原子力発電の安全性向上に向けた自主的かつ継続的な取組みのさらなる充実」に関する進捗状況について(平成26年度上期)

 当社は、美浜発電所3号機事故※1の反省を踏まえながら、安全最優先の事業運営を行ってきましたが、その中で、東京電力福島第一原子力発電所事故から、原子力発電固有のリスクに対する認識や向き合う姿勢が十分ではなかったのではないかということを教訓として学びました。このことを踏まえ、原子力発電の安全性向上に向けた自主的かつ継続的な取組みのさらなる充実(以下、「ロードマップ」)を進めていくこととしました。

平成26年6月20日 お知らせ済み]

 当社は、このロードマップにおける取組みを全社一体となって確実に実施していくとともに、その進捗状況について、定期的に公表することとしており、このたび、平成26年度上期(4月から9月実施分)の進捗状況を取りまとめました。
 主な内容は、以下のとおりです。

(1)原子力安全に係わる理念の明文化と共有
  • ・8月1日に、将来世代まで引き継いでいく原子力安全に係わる理念を明文化した「原子力発電の安全性向上への決意」を社達※2として制定し、社長が第一線職場の従業員との対話活動の中で社達制定に込めた自らの想いを伝達しています。また、メーカ、協力会社の方へ紹介する等、周知・浸透の取組みを展開しました。
(2)リスクマネジメントの充実
  • ・6月、全てのリスクを統括管理する社内のリスク管理委員会のもとに「原子力部会」を新たに設置しました。8月19日に、第一回を開催し、放射性物質の放出リスクに関する原子力事業本部の取組みについて、原子力以外の技術部門の幅広い知見を活用して評価することとしました。
  • ・加えて、4月に韓国の原子力発電会社と情報交換協定を更新し、5月には、スペインの原子力発電会社と情報交換協定を締結するなど、国内外の知見の収集の充実を図るとともに、それらの情報を分析、評価し、リスクマネジメントの強化に取り組んでいます。
  • ・また、地域の皆さまとのコミュニケーションを通じていただいたご意見を、社内で共有し、適宜、原子力事業運営に反映しています。また、部門横断的なワーキンググループを立ち上げ、外部有識者の意見も踏まえたうえで、地域の皆さまとのコミュニケーションを通じて原子力リスク認識の共有を図るとともに、それらを通じて得られた情報のリスクマネジメントへの反映方法などについて検討を開始しました。
(3)原子力事業本部における安全性向上に向けた基盤整備
  • ・6月、原子力事業本部に、安全性向上を一元的に推進していく、原子力安全部門を新設しました。また、各発電所に、原子力安全の実務に特化した所長に次ぐ職位の原子力安全統括を配置し、重要設備の点検工程の余裕を確保することによる安全性の向上や海外事例を踏まえたリスク低減対策等に取り組みました。

 なお、次回は、平成26年度下期の進捗状況を取りまとめ、来年春頃にお知らせする予定です。

 当社は今後も引き続き、ロードマップにおける取組みを含め、規制の枠組みにとどまることなく、自主的・継続的な安全性の向上に取り組んでまいります。

  • ※1:平成16年8月9日、美浜発電所3号機のタービン建屋において、二次系配管が破損し、配管から熱水と蒸気が噴出した事故。事故当時、定期検査の準備作業をしていた協力会社の方が被災し、5名の方がお亡くなりになり、6名の方が重傷を負われた。
  • ※2:最上位の社内規程。主に「経営方針等に関する事項」について定めたものを社達としている。

以 上

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