プレスリリース

2013年9月3日
関西電力株式会社

原子力発電所の運営状況について

 当社の原子力発電所における運営状況について、以下のとおりお知らせします。

1.運転状況について(平成25年9月2日現在)
発電所 電気
出力
(kW)
運転状況 備  考
美 浜
発電所
1号機 34.0万 第25回 定期検査中
H22年11月24日~未定
 
2号機 50.0万 第27回 定期検査中
H23年12月18日~未定
  •  
3号機 82.6万 第25回 定期検査中
H23年5月14日~未定
高 浜
発電所
1号機 82.6万 第27回 定期検査中
H23年1月10日~未定
  • ○協力会社社員の管理区域内における個人線量計の一時的な不着用について
    詳細は2(3)のとおり
    【新規お知らせ】
2号機 82.6万 第27回 定期検査中
H23年11月25日~未定
 
3号機 87.0万 第21回 定期検査中
H24年2月20日~未定
 
4号機 87.0万 第20回 定期検査中
H23年7月21日~未定
 
大 飯
発電所
1号機 117.5万 第24回 定期検査中
H22年12月10日~未定
 
2号機 117.5万 第24回 定期検査中
H23年12月16日~未定
  • ○A-非常用ディーゼル発電機 燃料油配管からのわずかな油の漏えいについて
    詳細は2(3)のとおり
    【新規お知らせ】
3号機 118.0万 第16回 定期検査中
H25年9月2日~未定
  • ○出力降下中における一時的な運転上の制限の逸脱について
    詳細は2(3)のとおり
    平成25年9月2日お知らせ済み】
4号機 118.0万 運転中  
  • ○定期検査中のプラントについては、定期検査開始~本格運転再開予定時期を記載。
  • ※平成25年7月8日の新規制基準施行に伴い、同日、原子力規制委員会に原子炉設置変更許可申請書等を提出。
2.トラブル等情報について
(1)法令に基づき国に報告する事象(安全協定の異常時報告事象にも該当する事象)
なし
(2)安全協定の異常時報告事象
なし
(3)保全品質情報等
発電所名  高浜発電所1号機 発 生 日  平成25年8月22日
件  名 協力会社社員の管理区域内における個人線量計の一時的な不着用について(添付図1)
事象概要
および
対 策 等
1.事象の概要
 定期検査中の8月22日、管理区域*1の固体廃棄物固型化処理建屋内において、雑固体廃棄物固型化処理業務*2に従事していた協力会社社員1名が、休憩のために1号機補助建屋内の給水所へ入り飲水した際、警報付デジタル線量計*3およびガラスバッジ*4(以下、個人線量計という。)を給水所に置き忘れたまま作業場所に移動しました。その後、別の協力会社社員から連絡を受け、給水所に置き忘れた個人線量計をその協力会社社員から受け取り着用した後に、作業を再開しました。作業終了後は、身体汚染のないことを確認したうえで管理区域から退出しました。
 なお、個人線量計を着用していなかった約20分間の当該協力会社社員の被ばく線量については、当該協力会社社員は作業を行っていなかったこと、また同一行動をとっていた他の協力会社社員の被ばく線量が0.00ミリシーベルトであったことから、0.00ミリシーベルトと評価しました。
2.推定原因
 個人線量計を置き忘れた原因については、給水所入口に個人線量計の取り外し禁止の注意喚起がなかったことから、給水所モニタで汚染検査を実施する際、管理区域から退出する際に使用するモニタと同様に、着用していた個人線量計を給水所モニタの扉内側のトレイに置き、測定終了後、個人線量計を給水所内の机の上に置いていましたが、飲水に気を取られていたため再着用することなく作業場所に戻っていたことがわかりました。
3.再発防止対策
 これまでも、管理区域入域時の個人線量計の不着用を防止するため、等身大パネルを用いた個人線量計着用確認等を実施していましたが、管理区域内にある給水所ではこのような対策がなかったため、以下の再発防止対策を実施することとしました。
  • (1)管理区域内では給水所を含め、入域から退域までの間、個人線量計の取り外しを禁止する旨の注意書き、およびポスターを掲示
  • (2)給水所出口に、注意喚起の音声を流すセンサーボイスを設置
  • (3)給水所モニタの扉内側トレイを使用できないように措置
  • (4)各協力会社社員および当発電所所員へ事象の周知、管理区域内における基本ルールを再徹底
  • *1 被ばく線量が3ヶ月当たり1.3ミリシーベルトを超える可能性のある区域で、関係者以外の者の不必要な被ばくを防ぐため一般区域と明確に区別し、立ち入り制限等の管理を必要とする場所。
  • *2 低レベル放射性廃棄物を埋設するために、廃棄物をドラム缶に詰め直しモルタルで固型化する作業
  • *3 作業員の管理区域立入毎の被ばく線量を測定する測定器で、被ばく線量や入域時間が設定レベルに達したときにアラームが鳴る仕組になっている。
  • *4 蛍光ガラス素子等を用いてエックス線、ガンマ線、ベータ線、中性子線の被ばく線量を一定期間累積して測定する個人線量計。
発電所名  大飯発電所2号機 発 生 日  平成25年8月19日
件  名 A-非常用ディーゼル発電機 燃料油配管からのわずかな油の漏えいについて(添付図2)
事象概要
および
対 策 等
1.事象の概要
 大飯発電所2号機は第24回定期検査中のところ、平成25年8月19日10時00分頃、協力会社社員から2号機A-非常用ディーゼル発電機(以下、「A-DG」という。)室付近(屋外)で油の臭いがしているとの連絡を受けました。
 直ちに当社社員が現地の状況を確認したところ、燃料油貯油槽(地下タンク)とA-DG燃料油サービスタンクをつないでいる配管のトレンチ内にある燃料油配管から燃料油(A重油)がわずかに漏えい(約3滴/分)していることを確認しました。
 A-DGの機能に影響を与える漏えいではありませんでしたが、当該DGを待機除外とし、配管を補修することとしました。漏えいした燃料油はトレンチ内に溜まっており、構外への流出はありませんでした。また、漏えいした燃料油については拭き取りを実施しました。
 本事象による環境への放射能の影響はありません。また、他の予備電源が確保されていることにより、保安規定に定める運転上の制限も満足しています。
 なお、当該DGについては復旧が完了し、待機状態となっています。
※配管敷設用のコンクリート製地下通路
2.原因調査結果
(1)外面目視点検結果
当該配管を取り外し点検した結果、建屋壁貫通部分からフランジ継手までの配管全周が腐食により減肉しており、また貫通穴(5ヶ所)が認められました。
(2)内面目視点検結果
当該配管を切断し点検した結果、減肉や腐食などの異常は認められませんでした。
(3)トレンチ内配管貫通部近傍の状況
当該配管の保温材(外装板)と建屋壁貫通部(壁面)の隙間部には、雨水浸入防止処置(シール材によるコーキング)がされていたものの、コーキング状態が不十分であり、隙間から雨水が保温材内部に浸入し易い状態でした。
(4)トレンチ蓋の設置状況
当該配管のあるトレンチの上部には蓋(鉄板)を設置していますが、蓋と建屋壁には隙間があり、またケーブル貫通用等の開口部があったことから、トレンチ内に雨水が入り易い構造でした。
3.推定原因
 A-DG室建屋壁から伝い落ちた雨水等が、建屋壁とトレンチ上部の蓋との隙間およびトレンチ上部の蓋のケーブル等貫通用の開口部から配管トレンチ内に入り、雨水浸入防止処置状態が不十分であった箇所から保温材の内部に侵入し湿潤状態となった結果、長時間かけて配管外面から腐食、減肉し漏えいに至ったものと推定されました。
4.再発防止対策
  • (1)当該配管を新品に取り替えました。
  • (2)保温材(外装板)と壁貫通部の隙間の雨水侵入防止処置を確実に行いました。
  • (3)配管上部のトレンチ蓋とA-DG室建屋壁との隙間およびトレンチ蓋開口部に雨水浸入防止処置を実施しました。
発電所名  大飯発電所3号機 発 生 日  平成25年9月2日
件  名 出力降下中における一時的な運転上の制限の逸脱について(添付図3)
事象概要
および
対 策 等
 大飯発電所3号機(加圧水型軽水炉 定格電気出力118万キロワット、定格熱出力 342万3千キロワット)は、第16回定期検査のため、本日16時45分から出力降下中のところ、18時19分に原子炉炉心の出力が不均一になったことを示す警報(1/4中性子束偏差大)※1が発信し、保安規定の運転上の制限の逸脱※2と判断しました。
 保安規定では、運転上の制限から逸脱した場合、原子炉出力を降下させる手順となっており、そのまま出力降下作業を継続し、19時35分、原子炉出力が50%以下となったため、運転上の制限の適用外となりました。
 なお、警報が発生した原因については、今後、詳細調査を行う予定です。
 本件による外部への放射性物質の影響等はありません。
  • ※1 原子炉では、炉心を上から円状に見て4分割し、上下それぞれ4つの検出器により炉心出力を管理しています。保安規定上、原子炉出力が50%を超える場合に、この上下それぞれ4分割した炉心出力の差を一定の範囲(2%)内にすることを運転上の制限としていますが、今回は一定範囲を超える差(2.2%)が出たため、警報が発信したものです。
  • ※2 原子炉熱出力が50%以上において、1/4炉心出力偏差が2%以内であること。

平成25年9月2日 お知らせ済み]

以 上

<添付資料>

プレスリリース