プレスリリース
2011
2011年12月15日
関西電力株式会社
大飯発電所2号機の定期検査開始について
大飯発電所2号機 第24回定期検査の概要
- 1.主要工事等
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(1)耐震裕度向上工事 (図−1参照) 既設設備の耐震性を一層向上させるため、安全注入系統や余熱除去系統などの配管、アニュラス浄化系統や補助建屋よう素除去排気系統のダクトの支持構造物を強化します。
(2)化学体積制御系統小口径配管他取替工事 (図−2参照) 国外PWRプラントにおける応力腐食割れ事象を踏まえ、1次冷却材の流れがない配管(高温環境で溶存酸素濃度が高い)の溶接部について、計画的に対策工事*1を実施しており、今回は化学体積制御系統1箇所について、耐食性に優れた材料に取り替えます。また、取替時の作業性を考慮し、対象箇所周辺の弁や配管の一部を取り替えます。
- *1 応力集中が小さい溶接形状への変更と耐食性に優れた材料への変更。
(3)1次系強加工曲げ配管取替工事 (図−3参照) 国外BWRプラントにおいて、芯金を使用して曲げ加工した配管の内面で応力腐食割れが発生した事象を踏まえ、予防保全として、1次冷却材系統につながる曲げ配管のうち、芯金を使用して曲げ加工したものを、芯金を使用せずに曲げ加工した配管に取り替えます。
(4)1次冷却材ポンプ電源監視回路改造工事*2 (図−4参照) 1次冷却材ポンプ駆動用電源の電圧および周波数の低下を監視する装置の電源が喪失した状態で運転することを防止するため、監視装置の電源が喪失した場合には中央制御室に警報を発報するとともに、「電源電圧低」および「電源周波数低」の信号を発信する回路構成に変更します。
- *2 国内PWRで、1次冷却材ポンプ駆動用電源の監視装置の電源が喪失した状態で運転した事象を踏まえ、平成22年5月、原子力安全・保安院は、事業者に対し監視装置の電源が喪失した場合に中央制御室に警報を発報する等の設備改善を行うよう指示した。
(5)常用系直流電源装置他設置工事 (図−5参照) 安全系直流電源装置について、今後の電気・計装装置のデジタル制御による消費電力の増加に対応するため、常用系直流電源装置を新たに設置し、安全系直流電源装置に接続している一部の機器を移設します。
- 2.設備保全対策
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(1)2次系配管の点検等 (図−6参照) 当社が定めた「2次系配管肉厚の管理指針」に基づき、2次系配管1,198箇所について超音波検査(肉厚測定)を実施します。
また、過去の点検において減肉が確認された部位4箇所、配管取替時の作業性を考慮した部位4箇所、今後の保守性を考慮した部位12箇所、合計20箇所を耐食性に優れたステンレス鋼の配管に取り替えます。
3.燃料集合体の取替 |
燃料集合体全数193体のうち65体(うち60体は新燃料集合体で、55,000MWd/t高燃焼度燃料)を取り替える予定です。
4.福島第一原子力発電所事故を踏まえた特別点検等*3 | (図−7参照) |
非常用炉心冷却系統や格納容器スプレリングの健全性確認を行うとともに、さらなる監視強化のため、非常用電源に接続した使用済燃料ピットの温度計、広域水位計および監視カメラを設置します。
また、非常用炉心冷却系統の耐震サポートおよび屋内外タンク基礎ボルト等の点検を行います。
- *3 使用済燃料ピット設備は、1・2号機共用設備であるため、使用済燃料ピット冷却系統ポンプ分解点検は、現在実施中の1号機第24回定期検査で実施済み。
5.その他 |
原子炉起動については、福島第一原子力発電所事故に対する安全対策の実施状況を踏まえ、地元のご理解を得ながら計画します。
以 上