プレスリリース

2011年7月22日
関西電力株式会社

美浜発電所2号機の高経年化技術評価(40年目)の実施および今後の運転方針の検討について

(添付資料1)

美浜発電所2号機 高経年化技術評価および長期保守管理方針の概要について

 昭和47(1972)年7月25日に営業運転を開始した当社の美浜発電所2号機については、平成13(2001)年6月に30年目の高経年化技術評価を行うとともに長期保全計画を策定しておりますが、平成24(2012)年7月に40年目を迎えるため、2回目の高経年化技術評価を行い、同評価に基づき長期保守管理方針を策定しました。
 以下にその概要を記載します。

○高経年化対策について
1.高経年化技術評価
   運転開始後、40年目を迎える美浜発電所2号機については、安全機能を有する約3万の機器・構造物を対象とし、30年目の高経年化技術評価と同様に、腐食、疲労損傷、減肉等の経年劣化事象が発生していないかを確認するとともに、今後の運転で経年劣化事象が発生しないかを検討しました。更に、経年劣化事象が発生する機器・構造物は、運転開始60年経過後の劣化状況を想定し、現状の保全活動で安全性が確保されているかを確認するための評価を行いました。
 その結果、大部分の機器・構造物で経年劣化事象の進展が緩やかであるか、もしくは適切に管理・対処されていると評価しました。また、その他の一部の機器についても、現在行っている保全活動に加えて追加保全策を講じることで適切に管理・対処が可能であり、40年目以降の運転においても、プラントを健全に維持できることを確認しました。
 なお、評価にあたっては、最新の知見や国内外のトラブルを踏まえた運転経験を反映しており、近年発生したトラブルについても評価を行っております。
2.長期保守管理方針
   前記の一部の機器について、現状の保全活動に追加すべき保全項目を抽出し、運転開始後40年目以降の10年間に実施すべき長期保守管理方針として取りまとめました。
   以下に美浜発電所2号機の高経年化技術評価および長期保守管理方針の例を示します。
[高経年化技術評価の例]
[高経年化技術評価の例]
  • ※1:電気ペネトレーション・・・原子炉格納容器電線管貫通部
  • ※2:ポッティング材・・・電線管貫通部の内部にある充てん材 (シリコーン樹脂,エポキシ樹脂)
  • ※3:バッフルフォーマボルト・・・原子炉容器内の、燃料集合体を取り囲む壁(バッフル板)を固定するためのボルト。
  • ※4:照射誘起型応力腐食割れ・・・中性子線照射の影響で化学組成等が変化した材料に、環境要因、応力要因が重なることで発生する応力腐食割れ。
[長期保守管理方針の例]
[長期保守管理方針の例]
  • ※5:短期は平成24(2012)年7月25日から5年間で実施すべき項目。中長期は平成24(2012)年7月25日から10年間で実施すべき項目。
  • ※6:発電用原子力設備の維持(検査、評価、補修等)に関する技術的諸規定を定めた規格。
○今後の予定
   今後、本日提出した40年目の高経年化技術評価と同評価に基づく10年間の長期保守管理方針について、国による審査を受けることになります。
 なお、今後とも、福島第一原子力発電所事故を含め国内外の運転経験等から、高経年化技術評価に反映すべき最新知見が得られた場合は適切に同評価の見直しを行い、その結果に基づいて長期保守管理方針を変更してまいります。

以 上

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