プレスリリース

2010年3月23日
関西電力株式会社

高浜発電所2号機補助建屋排気筒ガスモニタの一時的な指示値の上昇に係る調査状況について

 高浜発電所2号機(加圧水型軽水炉 定格電気出力82万6千キロワット、定格熱出力244万キロワット。定格熱出力一定運転中)では、3月8日1時00分よりガス分析器による体積制御タンク※1の放射性ガスの定例分析を実施したところ、1時13分に補助建屋排気筒ガスモニタ※2の注意警報が発信し、当該モニタの指示値が最大809cpm[13.5cps]※3に上昇しました。
 このため体積制御タンクとガス分析器の間の弁を閉じ、モニタ指示値は1時22分に通常レベル(約700cpm[約11.7cps])に戻りました。
 同時間帯に、当該分析系統が設置されたフロアの空気中の放射能を測定しているモニタ(仮設)も上昇していたことから、今回の分析操作に伴い、放射性ガスが室内に漏れ、換気系を通じて補助建屋排気筒から排出されたものと推定されたことから、放射性ガスが漏れた原因について調査を行うこととしました。
 今回、補助建屋排気筒から放出された放射性気体廃棄物の放射能量は、 約2.8×10Bqで、保安規定に基づく放出管理目標値(3.3×1015Bq/年)の約1,100万分の1以下でした※4
 また、発電所敷地内および周辺のモニタリングポストの指示値にも有意な変化は認められず、周辺環境等への影響はありませんでした。

  • ※1 化学体積制御系の設備で、原子炉容器や配管内の一次冷却材の量を調整するためのタンク。
  • ※2 運転に伴って発生する気体放射性廃棄物(希ガス)を監視するモニタ。
  • ※3 cpmは1分間に、cpsは1秒間に測った放射線の数を表す単位。
  • ※4 高浜2号機の放射性気体廃棄物(希ガス)の年度放出実績は、平成18年度は6.3×10Bq、平成19年度は9.5×10Bq、平成20年度は3.2×10Bq。

平成22年3月8日お知らせ済]

これまでの調査状況
 今回の体積制御タンク分析操作の際に使用した系統の機器および配管について漏えい検査を行ったところ、ガス分析器※5にガスを送り込んでいるポンプ(サンプラポンプ)2台のうち、今回使用していたポンプ(No.2)で漏えいが認められました。このため、当該ポンプについて分解点検を行ったところ、ダイヤフラム※6に変形とひび割れ(最大17.5mm)が確認されました。このため、当該ダイヤフラムについて詳細検査を実施したところ、ひび割れの中央部に貫通孔(ピンホール)を確認しました。
 今後、ダイヤフラムが損傷した原因を調査します。
 なお、当該ポンプ以外の機器および配管については、漏えいにつながる異常は認められませんでした。

  • ※5 ガス減衰タンクなどの、1次系タンクの放射性ガスに含まれる酸素および水素の濃度を測定する装置。
  • ※6 ガスを吸込・吐出する際にガスと外気を隔てているゴム製の隔膜。

以 上

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